『ロングテール 「売れない商品」を宝の山に変える新戦略』
MY本 Vol.32
市場は、売上の大部分を占める一部のヒット商品と、大多数の不人気商品に分けられる。販売数を縦軸、商品を横軸にして、ヒット商品を左から並べると、急斜面の後に右側になだらかに長く伸びるグラフが描かれる。この長い尾(ロングテール)のように見える部分は売れ筋でない商品で、今までの店舗販売では売り場面積に限りがあり軽視されてきた。だがインターネットの普及で、少数派の商品にも目が向けられ、その販売合計額はヒット商品を上回るようになってきている…。
ゲーム開発のため、さまざまな知識を得ようと多くの本を読んでいた柳川さん。たまたまこの本に出合い、感銘を受けたそう。遊び好きな著者の体験から語られる理論には説得力があるそうだ。「売れない商品でもその1つ1つが1億個集まれば、売上も無限になります。ネット社会ではそれが可能です」と柳川さん。「売上の小さなアナログゲームでも、webと実店舗の組み合わせを行う事で、経営の安定を図りつつ、堅実に毎年の新作発表を続け、自社商品を増やす事が出来る様になる為、この本で学べるロングテールに適った成長戦略が取れます」と話す。
今読んでも14年前発行とは思えない新鮮な内容の本。著者の続編ともいえる「FREE」「MAKERS」(両著共にNHK出版)も続けて読むとオススメとの事だ。
Text: ジモア編集部
ロケ地:ゴッタニCAFE
米国「ワイアード」の編集長も務めた著者の出世作。2004年に同誌上で発表、その後書籍化され、ベストセラーとなった。
株式会社ゴッタニ
代表取締役・ゲームデザイナー
柳川 一隆さん
ゲームデザイナーとして大手ゲームメーカーで様々なプロジェクトに従事。2017年、ゲーム製作集団GOTTA2を立ち上げ、新しいゲームの開発に取り組む。同年、西早稲田にカード・ボードゲームが楽しめる「ゴッタニCAFE」をオープン。
☆ゴッタニCAFE
公式サイトhttp://cafe.gotta2.jp/