『逃げた女』 THE WOMAN WHO RAN
THE MEIGAZA Vol.46
2020年第70回ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞したホン・サンス監督の最新作をはじめ、「コリアン・シネマ・セレクション 移ろいゆく幸福な時間」として3本の韓国映画の名作をラインナップ! いずれの作品も見逃せません。
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5年間の結婚生活で一度も離れたことのなかった夫の出張中に、ガミはソウル郊外の女友だちを訪ねる。バツイチで面倒見のいい先輩ヨンスン、気楽な独身生活を謳歌する先輩スヨン、そして偶然再会した旧友ウジン。ガミは彼女たちの生活を間近で垣間見つつ、自身の夫との生活についてはいつも同じことを語るばかり。「彼は言うの、愛する人とはいつも一緒にいるべきだって」
韓国映画界でもその洗練された独特のスタイルと映画哲学で、孤高の名匠といえるホン・サンス監督の24作目にして日本公開最新作。旧友との穏やかで親密な会話のふとした瞬間にあふれ出す感情のさざ波が、幸せそうに見える彼女の心の内にある違和感を紡いでラストシーンまで押し流していきます。ホン・サンス監督の手腕が光るシンプルを極めた美しい映画です。併映は長年ホン・サンス監督のプロデューサーを務めたキム・チョヒ監督の初監督作『チャンシルさんには福が多いね』。長年支えてきた監督の急逝をきっかけに人生のすべてを映画に捧げてきた女性プロデューサーのチャンシルが自身の生き方を振り返るアラフォー女子の愛しくなるようなコメディ・ドラマ。また酒場に集まる男女4人を白昼夢のような淡く優しいタッチで綴るチャン・リュル監督作『春の夢』をレイトショーで上映します。韓国映画と言えばリアリティ溢れる描写のイメージが強いですが、今回はそのアナザーサイドとも言えるやさしく繊細な描写の作品たちを「コリアン・シネマ・セレクション 移ろいゆく幸福な時間」としてお届けします。ぜひご覧ください。
10月23日(土)~10月29日(金)
『逃げた女』+『チャンシルさんには福が多いね』2本立て上映+特別レイトショー『春の夢』
逃げた女 THE WOMAN WHO RAN(2020年/韓国/77分)
監督・脚本 ホン・サンス 出演 キム・ミニ/ソ・ヨンファ/ソン・ソンミ/キム・セビョク/クォン・ヘヒョ2020年第70回ベルリン国際映画祭銀熊(監督)賞
チャンシルさんには福が多いね LUCKY CHAN-SIL(2019年/韓国/96分)
監督・脚本 キム・チョヒ 出演 カン・マルグム/ユン・ヨジョン/キム・ヨンミン ほか
春の夢 A QUIET DREAM(2016年/韓国/101分)
監督・脚本 チャン・リュル 出演 ハン・イェリ/ヤン・イクチュン/ユン・ジョンビン/パク・ジョンボム ほか