ジモアマガジン[2011冬号 e-Book]
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「漫画を読むのは本当に好きでしたが、本はそこまで読んでいたわけではありません。でも、この本だけは特別でしたね」と語る望田さんは、中学生のころ父親に手渡されたことがきっかけでこの本に出会った。当時、教育熱心な両親のもとで型にはまった生活をしていたという望田さんにとって、坂本竜馬が自分の思いのまま行動できる自由が、とても羨ましかったそうだ。「脱藩、航海、異国、世界…。竜馬の人生は波乱万丈で、男なら誰しも憧れるような存在でしたね。そして何より実在した人物だったということが衝撃でした」。 再びこの本を手に取ったのは、大学浪人時代。進路に悩む当時の望田さんは、初めて読んだ時とは違ってストーリーではなく、竜馬の自由な思考法や何事も恐れない大胆さ、それでいて虚栄心のない人柄といった、竜馬の人間としての内面に惹かれたという。「この本を読み返したことが、アメリカ留学を決意する後押しとなったのは確かです。アメリカの大学は学業が厳しく苦労が多かったけど、その時学んだPCやITのことが今の仕事でも活かせています」。 そう語る望田さんは、現在二児の父親。「子供たちが中学生になったらこの本を渡したいですね。何かを決断するのは簡単なことではないが、そういう時こそ挑戦するのを恐れないでいてほしいから」。時代を超えて愛される物語というのは、こうして受け継がれてゆくのだろう。みなさんそれぞれ、歌が上手いって感じているアーティストはいると思います。しかしカラオケで本人が歌ってもなかなか高得点って出ませんよね? どうやら楽譜通りに歌うことだけが、必ずしも上手いというわけではないみたい…。そもそも歌が上手いってなんだろう? アーティストの近藤さんに、聞いてみました!「竜馬がゆく」司馬遼太郎文春文庫 全8巻MusicBookVol.4MYマイホンInterview / Text: Momoko Fujii望田 正吾氏株式会社 稲門管理代表取締役高校卒業後、アメリカの大学に入学、卒業。現在は家業を受け継ぎ、40年以上続く不動産会社稲門管理の社長として地域に愛される企業を目指して活躍中。東京青年会議所副理事長も務める。Vol.4~歌が「上手い」ってなんだろう?~十人音色テクニックは大切!でも人の心に届く歌は、それだけではないはず!シチュエーションよっても違うけど、例えばカラオケの場合、聴いていて楽しい気持ちにしてくれる歌っていいですよね。人の心にスッと入ってくる歌は上手いと言えるのだと思います。もちろん音程やリズム、発声の基礎や、ビブラートやファルセットなんかのテクニックも重要。でもそれはあくまでも装飾のひとつであって、絵画に例えるならニスを塗ってツヤを出したり、色をつけて彩り豊かにしたりすることと同じ。モノクロの絵でもすばらしい作品がたくさんあるように、テクニックがなくても上手いって思わせるような歌声は十分出せるはずですよ。 上達の秘訣はシンプルに声を出すこと。そして自分の声をよく知ること。正しい呼吸法や発声法はもちろん重要。やればやるほどその難しさを実感すると思うけど、基礎をきっちりやることで自信がついて精神的にもプラスになるはず。まずは常に声を出すことが上達への近道。僕も中学生くらいからよく大声で歌っていたけど、今考えれば当時の体験が実になっているし。歌声は音域や柔らかさなども人それぞれ違うから、まさに十人十色。大切なのは、自分の声の特徴をより彩り豊かに演出するテクニック。そして感情を込めて自分も気持ちよく歌えること。どちらも揃うと多くの人の心を動かす「上手い」歌が歌えるのかもしれませんね。Interview / Text: Toshifumi Yokota近藤 薫さんシンガーソングライター、「 VERY MERRY MUSIC SCHOOL高田馬場校」チーフプロデューサー。V6、HALCALI、AKB48、渡辺美里、郷ひろみなどへの楽曲提供や、音楽スクール運営、新人育成、プロデュース業など幅広く活動する。3月9日に5thアルバム「いつか忘れてしまうんだろうなぁ」をリリース!20

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