『ディズニー7つの法則』トム・コネラン/作 仁平和夫/訳
MY本 Vol.24
早稲田大学 相撲部監督 室伏渉さん
『ディズニーはどんな会社を競争相手だと考えているでしょうか?』。本書で一番はじめに投げかけられる質問に、あなたは何と答えるだろうか。この物語は、ディズニー・ワールドが誇る世界最高レベルの顧客満足にスポットを当て、男女5人の誕生人物とともにその裏側に迫っていく。室伏さんがこの一冊に出会ったのは、社会人になったばかりの24歳だった。『読み終わったときは興奮して、勢いに任せてすべてを取り入れようとした。しかし何年も繰り返し読んでいくうちに、ひとつひとつ深めたいと思うようになった』と語る。
そうして時間をかけて室伏さんが自身に取り込んでいったエッセンスは、ビジネスにとどまらず、相撲の指導方針にも深く通じている。選手が自主性を持てる環境づくりを徹底し、選手同士で考え、助け合うことで、チームの結束を強いものにしている。ディズニーのキャストの中で受け継がれる伝統と同じである。
このように、ビジネス向けに書かれてはいるが、あらゆる場面にも応用できるのが本書の魅力のひとつである。奇跡を生み出し続ける部舞台の裏側にある法則は、「仕事や自分自身と向き合う」ということが何か、を顧客満足という視点を通してあなたに気づかせてくれるだろう。新社会人からチームをまとめる人まで、仕事のやりがい発見にきっと多くの示唆を与えてくれるはず。
ディズニー成功の裏側を、顧客満足関連書の第一人者が書き尽くした30万部のベストセラー。
早稲田大学相撲部監督 室伏渉さん
早稲田大学人間科学部卒。現役時代から早大相撲部に所属し、就職後も指導にあたる。8年間ヘッドコーチを務め、その後監督に就任し現在5年目。同部は来年で100周年を迎える。無類の読書好きで、金融ミステリーを愛読。