第二十六場 出張篇 ゲスト:吉田照美
ジモア宣伝隊長HEY!たくちゃんのババくる!?
今回の「ババくる!?」は、馬場在住のものまね芸人HEY!たくちゃんが文化放送に出張!ゲストは日本を代表するラジオパーソナリティで早稲田大学OBの吉田照美さん。たくちゃんにとって彼は、「こういう風に年をとりたい」と尊敬する芸能界の先輩。最近のメディアに対する想いや学生時代の話まで、立板に水のようなトークで吉田さんが激白してくださいました。
今回は『ババくる!?』 初の出張取材! 吉田照美さんのラジオ番組「飛べ!サルバドール」収録前の文化放送にて。吉田さんが派手に椅子から転倒するハプニングから冒頭対談スタート!
たくちゃん:僕の芸能活動は、照美さんから始まってるんですよ。ラジオで、「新宿に吉田照美さんのものまねをする人がいる」みたいな感じで、中継で出してもらったのがきっかけ。
吉田:多分、ラジオに出たときの情報が僕のところに来たのが最初だね。僕のものまねする人なんているんだ、っていう最初の驚きがあったね。僕の似顔絵を最初に描いてくれた人も週刊朝日の山藤章二さんの似顔絵塾で初入選して、最終的にグランプリを獲って、似顔絵の本もいっぱい出したって。だから、そういう意味では、けっこう『あげちん』なんだね(笑)。
たくちゃん:いやいや。ほんとにそうなんです。
吉田:もし僕のマネが最初だとしたら、ほんとうれしいよ。
たくちゃん:実は吉田照美さんのラジオ『やる気MANMAN!(以下、やるMAN!)』に出たかったんですよ。それが最初の目標でした!
吉田:『やるMAN』はものまねコーナーもやってたから、絶対にチャンスあったと思うよ。僕のマネする人なんかまずいなくて、数人はいたけど、本格的に似てると思うものまねをしてくれたのはたくちゃんが初めてだね。
たくちゃん:ありがとうございます!
吉田:アゴものまねのネタってどれくらいあるの? 新しいネタも作ってるの?
たくちゃん:300くらいあります!って言ってたんですけど、ちゃんと似てるのは70ネタくらいですね。自宅にはボツネタ含めて1000枚くらいお面があります(笑)。いまはトランプ、小池百合子、ピコ太郎なんかもあります。(実際にまねをする)
吉田:ちょっと微妙なのもあるね(笑)。
たくちゃん:気持ちが入ってないネタはダメですね(笑)。僕、ずっと照美さんを見ているんですけど、どんどん若返ってパワフルになってますよね。
吉田:いやいや、さっき転んだでしょ。確実に歳取っているよ。こんなに激しく椅子から転倒したのは、人生初だし(爆笑)。
自分の支えになった言葉と攻めていた若い頃
たくちゃん:照美さんからは、支えになる言葉をたくさんもらってるんです。「頑張っていれば、誰かが見てる」とか、「もがけばご褒美が出る」という言葉。
吉田:(驚きながら)えっ、僕が言ったの?
たくちゃん:R25っていう雑誌に、載ってましたよ。
吉田:たまにいいこと言うんだな(笑)。僕も支えにしている言葉があるよ。
たくちゃん:ぜひ教えてください!
吉田:アナウンサーをやってた頃、自分の言葉を身に付けたくて、漫画家のやなせたかしさんが編集している本で「たとえ倒れても、夢の方向に向かって倒れたい」っていう言葉を見た気がしたの。その頃はやなせさんもまだアンパンマンが当たってなくて、とにかくあがいている感じで、自分の道も見つかってないみたいなことが書いてあって。それがずっと僕の支えでさ。『やるMAN!』のゲストに来ていただいた時に言ったら、「僕はそんなことは言ってないよ」って言われて…。少し僕が変えちゃったかもしれないけど、似たようなことはおっしゃっていたと思う。実はその言葉をテーマに油絵も描いちゃってさ。
たくちゃん:照美さんの油絵は、上手いし面白いですよね。どんな絵ですか?
吉田:砂漠で男が前向きに倒れてて、うつぶせで手を伸ばしている先に一輪の花が咲いている。でも男は、骸骨化してるっていう。
たくちゃん:それは面白い!見てみたいなぁ。いまはどんな絵を描いてるんですか?
吉田:トランプや安部首相を題材に、ちょっと風刺が入ったものだね。あとは2016年流行した映画をテーマに風刺を入れて「この世界の片隅に、君の名はシンゴジラ」って絵を描こうって計画してるよ(笑)。
たくちゃん:あはは…。それ面白いです!
吉田:ところで、たくちゃんはトランプみたいに実業家として、大金持ちになろうと思わないの? 美味しいラーメンを提供していれば、結果がついてくるって純粋に頑張っている感じ?
たくちゃん:そうですね。
吉田:エライ! 俺なんか昔は、汚い手を使って儲かる方法はないかな~とか、そんなことばかり考えてた方だから。
たくちゃん:(大爆笑)
吉田:ラジオでも、他のメディアに扱われるような企画に挑戦してたよね。会社にお伺い立てちゃうと、出来ないことっていっぱいあるから事後承諾で(笑)。局アナ時代に、日活ロマンポルノに自分が出演する企画を出したらNGになって。だから、女性に日活ロマンポルノを見せる運動っていう企画を作って、上映会の参加者を募集して、どさくさで映画にエキストラ出演もしてさ。当時けっこう応募が来たんだけど、上映中に3名ほど怒って帰っちゃった。これ事後承諾(笑)。
たくちゃん:ずいぶん攻めてますよね~(大爆笑)
マスメディアが伝えない事実を知ることの大切さ
吉田:今は、ラジオもテレビも新聞も自主規制が厳しい時代だから、やりたいことができないっていうのは正直あると思う。
たくちゃん:確かにこの10年くらいはそう感じます。
吉田:トランプはツイッターで勝ったわけでしょ。彼がツイッターを続けているのは、マスメディアが本当のことを書かないから、自ら発信するっていう意志からだと思う。日本も同じで、沖縄で落ちたオスプレイの件もアメリカがクラッシュ(墜落)って報道しているのに、着水や不時着とか報道して事実から意味を変えてしまう。でもみんなはネットで事実を知ってしまうという状況をマスメディアは気づかないとまずいと思うよね。たぶん、どんどん嘘やごまかしがバレてくるはず。
たくちゃん:いや~。ほんとそうですよね。
吉田:やりたいことをやれる、本当のことを知れる世の中が大事だと思う。歳を取った今は、変なことは変、違うことは違うって言うことが自分の役目かなって思って発言するように意識はしているよね。
たくちゃん:報道されない本当のことの価値が高まってますよね。テレビも視聴率が下がってきてるのも、視聴者が本当のことに接したいって思ってるのかも。いろんなネットメディアやSNSとか。
吉田:YouTubeでピコ太郎が当たったのもネットで、テレビは後追いだからね。最近の流行語の「日本死ね」などもネット発信だし。つまり、最先端はマスメディアの言葉ではなく、どんどんネットに移行してて。ネットがますます力を持っていくってのが、これからの流れだろうから、その方向性をどう見るかマスメディアも考えるべきかと。
馬場は予備校時代からの縁。ラジオは学びの宝庫
たくちゃん:照美さんにとって高田馬場はどんな場所ですか?
吉田:高田馬場は、僕が受験に失敗して浪人したときには通ってたの。大学側じゃなくて落合方面の早稲田予備校。その頃は予備校生と大学生って見た目でわかる時代。あの頃は辛かったなぁ。駅を出て大学じゃない方向に行くってことは浪人生なわけで、うらぶれた感じのちょっとヒネた学生みたいになって。
たくちゃん:僕、その辺にずっと住んでます。いつもウロウロしてますよ(笑)。
吉田:翌年、運よく早稲田大学に受かって。経済学科だったので将来、なんとなく銀行を受けるんだろうって思っていて。でも実は対人恐怖症的だったのを、浪人でさらにこじらせちゃってさ。大学生になって人並みに話せるようになりたくて、早稲田の「アナウンス研究会」に入った。それが今の道につながってるんだよね。
たくちゃん:高田馬場はとても想い出深い場所なんですね。では、読者の皆さんにメッセージを。
吉田:僕はラジオが大好きな人間で、ラジオでいろんなことを学ばせてもらった。聴いたことのない人にぜひ、どの番組でもいいから、まず体験をしていただけたら。ラジオは今後も残るメディアだと思う。1回、騙されたと思って、3番組くらい聴いてみて、もしつまらなかったら、もう聴かなくていいです(笑)。
たくちゃん:あはは…。ラジオはまだまだ自由があって、絶対面白いのですよね。今日はありがとうございました。
メディアに出るきっかけとなった憧れの先輩なだけあって、終始たくちゃんが尊敬の眼差しで話をきく姿が印象的。照美さんの熱いトークにスタッフも魅了され、あっという間の時間でした。取材後の『飛べ!サルバドール』の生放送では、「ジモア」の取材のことがトークに出てくる一幕も。その話術と存在感で、これからも第一線で私たちを楽しませてくれそうです。
ゲストプロフィール
11951年1月23日生まれ/東京都出身。
フリーアナウンサー、タレント。早稲田大学卒業後、1974年に文化放送入社。『吉田照美のてるてるワイド』など数々のヒット番組のメインを務める。1985年文化放送退社後、フリーアナウンサーとして、ラジオ・テレビなどで活躍。現在は、文化放送『吉田照美 飛べ!サルバドール』、『伊東四朗・吉田照美 親父熱愛(パッション)』のメインパーソナリティとして出演中。趣味の絵画は、三軌展への出展や、東武百貨店での個展を開催するほどの本格的な腕前。
☆『 吉田照美 飛べ!サルバドール』文化放送 毎週月~金曜日15:30~17:50
☆『 伊東四朗・吉田照美 親父熱愛(パッション)』文化放送 毎週土曜日15:00~17:00
☆吉田照美オフィシャルtwitter @tim1134