『ザ・ゴール ‒企業の究極の目的とは何か-』
MY本 Vol.31
約10年前100年以上続く家業を継承し“マネジメントとは何なのか?”と思い悩んでいた頃、須田さんは新聞の書評をきっかけにこの本と出会った。『ザ・ゴール』は小説というスタイルを通して企業の経営戦略に示唆を与えてくれると言う。主人公アレックスは、機械メーカーの工場長を務めていたが、ある日突然、経営悪化のため工場閉鎖を言い渡されてしまう。そこから悪戦苦闘し課題解決を図りながら、工場の経営改善に取り組んでいく物語だ。「続きが気になる物語に引き込まれて一気に読むうちに、随所に解説もあり、さまざまな示唆を得ました」と須田さんはいう。理系出身だった須田さんにとって、工場の生産現場という舞台にも興味が湧いたそうだ。その後シリーズ全巻も読み、常に“物事の本質”を意識する習慣ができたという。つまり目の前で起きている課題解決には、全体を俯瞰で眺め本質的な問題発見から課題全体が解決されていく、という考え方が身に付いたそうだ。
例えば飲食業における企業の目的は「食べることを通して、人に幸せになってもらうこと」だが、同時に働いているスタッフが、経済的にも人間的にも成長することが一番重要だと考えていると話す。物語を読みながら学べる本著は、マネジメントに悩む人々に多くの気付きを与えてくれることだろう。
Text:Iwamura Akane
ロケ地:東京MEAT酒場 高田馬場店(P3)
全米250万部、国内累計100万部のベストセラー。実践的なビジネス小説として経営改善策が数多く語られている。
株式会社ブリス・デリ&マーケティング
代表取締役
須田 康裕さん
早稲田大学理工学部卒。ビール会社を経て実家である早稲田鶴巻町の酒屋を5代目として継承。2004年に代表に就任し、保険業や飲食業に進出。2017年10月に「東京MEAT酒場高田馬場店」を開業し、現在10店舗を経営。
☆ブリス・デリ&マーケティング
公式サイト http://www.bliss-dm.co.jp/