第三十七場 ゲスト:高木ブー
ジモア宣伝隊長HEY!たくちゃんのババくる!?
ものまね芸人HEY!たくちゃんが、高田馬場で対談! 今回のゲストは、高田馬場在住56年、ザ・ドリフターズや雷様のキャラクターでもお馴染みの高木ブーさん。ハワイアンネームの由来やウクレレライブ、ドリフターズ秘話など、86歳でライブ活動を続けるパワフルな高木さんの魅力にたくちゃんが迫りました!
西早稲田駅から徒歩5分、北欧風インテリアのおしゃれなカフェ「a n d t s u b a m e」にて。たくちゃんは、高木さんの自伝『第5の男』を持参して、質問攻めにする態勢で二人の対談がスタート!
たくちゃん:高木さんは高田馬場に長くお住まいですよね?
高木:もう56年住んでます。うちの奥さんの実家がこの辺の大地主でね、テレビの仕事が増えたこともあって、柏から引っ越して来たんです。
たくちゃん:僕は13年ですが、いい街ですよね。
高木:昔は、いかりや長介さんや志村も住んでたよ。
たくちゃん:凄いですね!僕もお笑い芸人でして、アゴものまねという芸なんですけど、見ていただいていいですか?(松山千春さんの似顔絵を付けて)「松山千春です、今日はドリフターズの高木ブーさんが来ております。楽屋で俺の曲を一生懸命歌ってくれたんですよ、有難いな~」
高木:ははは、すごいね~。よく似るもんだね!
たくちゃん:僕、松山千春さんのコンサートに20年通ってるので、いつも高木さんが花を贈っているの知ってます。
高木:千春さんとは20年以上の交流で、毎年ライブには必ず行ってるよ。ある時、楽屋へ挨拶に行って、僕のライブで千春さんの『恋』をカバーするって話をしたの。そしたら千春さんがコンサート中に「今日は高木ブーさんが来ていて、ブーさんがライブで『恋』を歌ってくれると言うので、俺が本物の『恋』を聞かせます」って、歌ってくれた時は震えたね。
たくちゃん:わー、僕もそれ会場で聴いてました!
好きが高じて、日本屈指のウクレレ奏者になるまで
たくちゃん:NHK教育『趣味悠々』で、ウクレレ教えてましたよね? 当時、僕もやってみたいと思ったんですよ。
高木:ウクレレは比較的簡単だから誰でも弾けるようになるよ。
たくちゃん:弾き始めたきっかけって何ですか?
高木:15歳の時、兄貴が買ってくれたウクレレを見よう見真似で弾いたのがきっかけ。高校の同級生に上手な奴がいて、学校帰りに彼の家で一緒に練習するようになってさ。彼は高校卒業後にプロになったよ。
たくちゃん:へー、音楽のできる人って尊敬します。高木さんはハワイの凄い人から名前を貰ったって本当ですか?
高木:ああ、ハワイアンネームね。カメハメハ大王の直系の子孫でハワイ大学教授の人間国宝の方から、ハワイ文化に貢献した日本人として「ホアコクア」というハワイアンネームを頂きました。ハワイ語で「友達を助け支えになる。聖霊を分け与える」という意味なんだって
たくちゃん:凄いですね!今もライブ活動してますよね?
高木:先日、小豆島の「島フェス」でコラボしてきたばかり。ハワイアンってフェスの中では珍しいから逆に目立っちゃうよね(笑)。
たくちゃん:ハワイでのライブ出演もありますよね?
高木:昨年、サザンオールスターズの関口和之くん、野村義男くん、MONGOL800のキヨサクくんらと「1933ウクレレ・オールスターズ」というバンドを組んでハワイでライブをやらせてもらったし、今年2月にブルーノートハワイで日本人最高齢出演の記録を塗替えちゃった。86歳だからさ(笑)。
たくちゃん:自宅にウクレレとギターが100本以上あるって本当ですか?
高木:それくらいあるね。今日持ってきたのは、野村義男くんが手作りしてくれた世界に2台しかないウクレレで、ボディが薄いから通称「ウスレレ」(笑)。
たくちゃん:今後、どんな音楽活動をしていく予定ですか?
高木:正直、年齢的にどこまでやれるか…。いい加減にはやりたくないから、練習は毎日欠かさずやってるよ。
緊張感溢れた、ドリフ全盛期のハードな日々の思い出
たくちゃん:中央大学を卒業して、東京ガスに就職が決まっていたのに、ミュージシャンの道に進んだんですね。
高木:好きな事やるって決めてたからさ。
たくちゃん:ドリフの『8時だヨ!全員集合』は、毎週木曜の会議やリハーサルが凄かったと伝説になってますよね?
高木:もう、会議室はタバコの煙で真っ白で、とにかく会議が長くて午後3時から夜12時までみっちりで。ギリギリで美術セットの発注をして。月から水曜は地方営業で、木・金・土曜はすべて全員集合のために使っていたね。
たくちゃん:『8時だヨ!全員集合』のリハは、少しの段取りミスでも大事故になる可能性があるから、もの凄い緊張感だったそうですね。
高木:そりゃすごかったよ。当時、小学生だったうちの娘と長さんの娘が現場見学に来てたけど、子供ながらにピリピリした空気を感じて怖かったみたいで、キャンディーズの楽屋に隠れていたなんて事があったね。
たくちゃん:いかりや長介さんは、高木さんにだけ愚痴をこぼしていたそうですね。
高木:年齢的なもんで、僕は長さんの2歳下だから話しやすかったのかな。仲本と加藤は10歳下、志村は20歳近く下だもん。仕事後に二人で飲みに行けば、自然と内輪の愚痴になっちゃうの。僕が「ああ、そうだね」って相槌打って同調するから言い易かったんじゃないかな(笑)。
たくちゃん:僕、『ドリフ大爆笑』の雷様のコントが好きでした。
高木:『8時だヨ!全員集合』が終了して、加藤と志村だけが新番組に残って、他の3人は何もなくなったのよ。「3人じゃどうしようもねえな、どうする?」って相談した結果、苦肉の策で生まれたのが雷様コントなわけ。
たくちゃん:それが後々、伝説のキャラクターになるわけですね。今後の僕の芸能にもアドバイス貰えませんか? 芸人だけじゃ生活できないからラーメン屋をやりだして、今では生活の9割がラーメン屋なんです(笑)。
高木:僕も以前は麻布十番でBARをやってたよ。その頃は店で毎日歌ってたから、めちゃくちゃ歌上手かったもん。たくちゃんもウクレレやればいいのに。
たくちゃん:いやー、楽器自信ないですねぇ。
高木:ウクレレ界はお笑いの人少ないから入る余地あるよ。お面を被って、ものまねしながら歌うとかどうかな?
たくちゃん:それ、いただきます(笑)
地元で56年。行きつけの店は、家族ぐるみの付合いも
たくちゃん:地元の先輩として高田馬場の魅力を教えてください。
高木:昔は近所の通りに「高木ブー通り」と異名が付いたり、学生にピンポンダッシュや表札持ってかれたり、大変なこともあったけどね(笑)。家族ぐるみの付き合いの店はいっぱいあるよ。
たくちゃん:特に行きつけの店はどこですか?
高木:「つけ麵高木や」のオーナーは元ドリフの付き人だったんだよ。店名は僕の名前が由来で…。辛い麺を出してるから「蒙古タンメン中本」に対抗して、「むこうが中本なら、うちは高木だ」って勝手に命名されちゃった(笑)。
たくちゃん:へぇ~、そんな由縁があったんですね!
高木:あと、焼肉の「大昌苑」はよく行くね。昔は『8時だヨ全員集合』の収録後にみんなでご飯食べてたよね。野球選手やプロレスラーとか有名人もいっぱい来る店だよ。
たくちゃん:最近は、昔ながらの名店が閉店してますよね。
高木:そば屋の「三朝庵」は女将さんと仲良しだったのに、閉店しちゃって残念だよね。最近は地元歩いていると、SNSで僕の目撃証言が飛び交ってるらしい(笑)。
たくちゃん:そういえば、高木さんインスタやってますよね。
高木:ウクレレ関係が中心でね。サザンオールスターズの関口くんの写真を上げると、ファンが見てくれてて、インスタ経由でサザンの情報収集してるらしいよ(笑)。
たくちゃん:最後に地元の人へメッセージをお願いします。
高木:10月30日に高田馬場の「四谷天窓」で、ライブをやります。楽しい企画を準備してるので、ぜひお越しください。
テレビのイメージ通り、穏やかな人柄の高木ブーさん。ドリフターズのコントで一世風靡し、その後の音楽活動でもウクレレ界の第一人者に。レジェンドの豊富な経験談に笑いと驚きの連続のインタビューでした。そして、芸能界の大先輩の言葉に、真剣に耳を傾けるたくちゃんの姿も印象的でした。ライブ活動をはじめ生涯現役で活躍する高木ブーさん、これからも私たちを楽しませてくれそうです。
Text: 櫻井実由莉
Photo: 石森 亨
ロケ地:and tsubame
ゲストプロフィール
1933年3月8日生まれ/東京都出身。中央大学経済学部卒、伝説のお笑いグループ「ザ・ドリフターズ」のメンバー。1970年代から『8時だョ!全員集合』や『ドリフ大爆笑』に出演し、『雷様』のキャラクターで人気を博す。 2003年に自伝『第5の男 どこにでもいる僕』を出版。ウクレレプレイヤーとしては、日本で第一人者でありNHK教育テレビ『趣味悠々 高木ブーの今すぐ始めるウクレレ』に講師として出演。「高木ブー&ハロナ」のバンドリーダーを務め、加藤茶率いるこぶ茶バンドにも参加。現役のミュージシャンとしても活躍中。
公式インスタグラム
@bootakagi85
高木ブー&ハロナ『ハロウィンライブ』
◎日時:2019年10月30日(水) 19時開場 19時半開演
◎会場:高田馬場「四谷天窓.comfort」
〒169-0075 新宿区高田馬場3-4-11 BaBa hatch 5F
TEL:03-5338-6241
◎チケット:前売2,500円(当日3,000円) 1ドリンク別途 600円
映画『 任侠学園』劇場公開中