『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』 ONCE UPON A TIME IN…HOLLYWOOD
THE MEIGAZA Vol.41
今回の作品は、レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットの2大スターを初共演させたクエンティン・タランティーノの9作目となる
長編監督作品。2019年のアカデミー賞では10部門にノミネートされ、2部門で受賞した話題作です。
ピークを過ぎた人気テレビ俳優リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)と付き人兼スタントマンのクリフ・ブース(ブラッド・ピット)は、なかなか映画スターへの道が拓けない現状に神経をすり減らしていた。そんなときリック邸の隣に時代の寵児ロマン・ポランスキー監督(ラファル・ザビエルチャ)と新進女優シャロン・テート(マーゴット・ロビー)夫妻が引っ越してきた。幸せの絶頂で輝く夫妻と、先を案じる俳優コンビ。夢工場ハリウッドの明暗のもとに分かたれる彼らに、運命の1969年8月9日が迫ってきていた。
クエンティン・タランティーノ監督が『イングロリアス・バスターズ』(2009)『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012)に並んで、歴史的な状況や実在の人物を題材に“実際には起こらなかった”物語を描く『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』。テレビの普及により斜陽になっていく映画スタジオを背景に、表舞台に出ることのないスタントマンや隅に追いやられていくスター、姿を消していってしまった者たちへの挽歌を作り上げた。シャロン・テートと言えば、衝撃的な事件の話題ばかりで、死後も呪縛のようにその生涯を晒され続けている彼女の、期待と幸福を抱いて過ごす時間を柔らかなカメラワークで情感豊かに描き出す。ユニークで痛快でありながら、もの悲しさも漂う見事な作品です。是非お見逃しなく。
7月11日(土)~7月24日(金)
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド ONCE UPON A TIME IN…HOLLYWOOD
(2019年 アメリカ 161分 PG12)
監督 クエンティン・タランティーノ 出演 レオナルド・ディカプリオ/ブラッド・ピット/マーゴット・ロビー ほか 2019年アカデミー賞 助演男優賞/美術賞 受賞