第四十六場 ゲスト:猫ひろし
ジモア宣伝隊長HEY!たくちゃんのババくる!?
ものまね芸人HEY!たくちゃんが、高田馬場で対談! 今回のゲストは、数々のギャグがヒットしたお笑い芸人で、現役マラソンランナーでもある猫ひろしさん。2016年リオオリンピックに男子マラソン・カンボジア代表として出場し、現在はライブや講演会に大活躍。カンボジア生活やオリンピック秘話にたくちゃんが迫ります。
高田馬場駅から徒歩8分、早稲田通りに面したフェアトレードアジア雑貨店「ナチュラル&ハンドメイド マキマキ」にて。カラフルなカンボジアシルクのバッグやストール、ハーブティーなどが並ぶ店内で、たくちゃんと猫ひろしさんの対談がスタート!
たくちゃん:最初の出会いは17、18年前のお笑い地下ライブですよね。お笑いをはじめたのはいつからなんですか?
猫ひろし:昔からお笑いが好きだったので、大学在学中はよくお笑いライブを観に行ってて、そこで募集告知をみつけては、ネタ見せしてました。
たくちゃん:養成所には入らなかったんですか?
猫ひろし:お金がなかったので、自分でネタを考えて色んな所に売りこみに行っていました。
たくちゃん:独学で飛び込む行動力はさすがです! オリンピックランナーの地位が確立しているのに、今でもめちゃくちゃライブやってますよね?
猫ひろし:ずいぶん減ったけど、月5本はやってるかな。ライブの話しが来ればやります。走ってばかりだから、ネタを作ってないとダメなんです。
たくちゃん:猫さんを見習って慌ててライブ活動再開しました(笑)。
猫ひろし:スベることも多いですよ(笑)。若手に「猫ひろしだ!」とか言われたり、変に気を遣われることあったり。
たくちゃん:僕は猫さんにいつも刺激を受けているんです。オリンピックを目指す姿を見て、自分も世界で何かやろうと思って、ニューヨークのラーメン大会に出ました。
ホリエモン案を即実行!芸能人初のオリンピック出場へ
たくちゃん:堀江貴文さんのアドバイスでオリンピックを目指すことに決めたそうですけど、どういう経緯なんですか?
猫ひろし:2009年頃に堀江さんのインターネット番組で、「堀江さんにアイデアをもらう」みたいなコーナーがあって。堀江さんってアイデアをいっぱい持ってて……。例えば「寺芸人になる」「麻雀芸人になる」「選挙に出る」「東大を受験する」とか。そこで足が速いから「国籍を変えてオリンピックに出る」っていう案が出て、これはすごく面白いと感じたんです。この猫魂のTシャツ姿でスタートラインに立ってる映像が思い浮かんで、すぐに「やります!」って即断しました。
たくちゃん:堀江さんの口調ってどんな感じでした?
猫ひろし:冗談みたいな軽いノリで「国籍変えてオリンピック出たら面白いんじゃない」って。その時の様子が、先日発売したばかりのDVD『NEKO THE MO VIE』にも映像として残っています。
たくちゃん:「ネコザムービー」っていいタイトルですね。どんな内容なんですか?
猫ひろし:僕がカンボジア人になってオリンピックを目指し始めてからリオ五輪でゴールするまでの6年間、大会や生活など、のべ260時間を密着取材したドキュメント映画です! 堀江さんがプロデュースしてくれました。
たくちゃん:堀江さんがプロデューサーなんですか?
猫ひろし:知り合いのディレクターが僕に密着してスポーツニュースに提供する映像をずっと撮影してたんです。リオ五輪の応援に来てくれた堀江さんがそれを見て「ニュース素材だけではもったいないから映画にしましょう」って提案してくれたんです。すぐにプロデューサーとして動いてくれて1本の映画になりました。
たくちゃん:すごいですよね。堀江さんは色々なところで猫さんを褒めていて、「猫ひろしはすぐ行動したから成功したの。行動あるのみ!言ってるだけでやらないヤツはだめだ!」って言ってますよね。
猫ひろし:堀江さんも当時はその場限りの発言で、僕が本当にやるなんて信じてなかったと思いますよ(笑)。
たくちゃん:すぐ実行したのが嬉しかったんでしょうね。堀江さんとはよく会うんですか?
猫ひろし:リオ五輪の後も、カンボジアの大会にも応援に来てくれました。北海道に堀江さんのロケットも見に行きました。「乗ればいいじゃん」って勧められて「猫さん、身長もちょうどいいじゃん!」って。
たくちゃん:そのうち宇宙に連れていかれそうですね(笑)。
マラソンが20分早くスタート!? ネタ満載のカンボジア生活
たくちゃん:LINEのカンボジア日記、面白いですよね。
猫ひろし:カンボジアでは時間が余ってるから、いつも写真を撮りまくってます。毎日ネタがいっぱい集まりますよ。
たくちゃん:鶏ガラの唐揚げが普通に売られてるのが信じられなくて。鶏ガラですよ?肉が全然付いてない唐揚げなんて!
猫ひろし:カンボジアは内戦時代の名残で、幼虫、タガメ、タランチュラ、ヘビって、なんでも食べるそうです。幼虫の唐揚げは小エビみたいで美味しいですよ。売り場の試食コーナーで食べ過ぎて、お店のおばちゃんに「買わないくせに食べすぎだ!」って怒られたこともあります(笑)。
たくちゃん:あはは! そりゃ怒られるわ。カンボジアの文化で驚いたことってありますか?
猫ひろし:時間にルーズで、何事も30分遅れるのは当たり前です。
たくちゃん:なるほど、暑い国あるあるですね。
猫ひろし:逆もあって、あるマラソン大会では6:30のスタートなのに、6:10になんのアナウンスもなく「3、2、1ドーン」ってスタートの合図が鳴って、レースが始まったんです。アップ中だった僕も慌ててスタートしましたよ(笑)。
たくちゃん:まさかの20分巻きですか!?
猫ひろし:ゴールしてから「何で20分早くスタートしたの?」って聞いたら、「スタートラインに、だいぶ人が集まっていたから、もういいかなって思って」だってさ(笑)。
たくちゃん:あはは! おおらか過ぎる!
猫ひろし:押すのは当たり前で、スタート時間通りに始まったことないですね。あとレース中に犬が乱入するのもあるあるです。犬がそこら中にいて、ランナーを追いかけるんですよ。
たくちゃん:それは怖い。噛まれたりしませんでしたか?
猫ひろし:実際、噛まれた選手もいますよ。先頭グループは、自転車に乗った警備員が追っ払ってくれますけど。道に落ちている石を犬にぶん投げて追っ払っているのも見たことがあります。
たくちゃん:めちゃ原始的な方法ですね(笑)。
猫ひろし:スポンサーがコカコーラの大会で、給水所でペプシコーラを配られたこともありますね。これネタじゃないですよ。笑いと涙と犬ありの完全ドキュメントですから(笑)。
生きる力!? 講演会や出版から下ネタまでこなす猫イズム
たくちゃん:講演会の依頼も多いですよね?
猫ひろし:オリンピック後は講演依頼が増えて、毎回1時間くらいしゃべりますね。
たくちゃん:すごい! どんなことをしゃべるんですか?
猫ひろし:カンボジアの話で興味を持ってもらってから真面目な話、最後は笑いで終わるみたいな流れです。
たくちゃん:それで、帰りにはロビーで本を売るんですよね?
猫ひろし:まあ、売る時もありますね。
たくちゃん:やっぱり(笑)。本は何冊出してるんですか?
猫ひろし:5冊です。最初に出した『おもしろマラソンガ イドブック』は、給水所で蕎麦がでてくる大会とか、変 なマラソン大会をまとめた本で......。
たくちゃん:それ、喉渇いちゃうじゃないですか(笑)
猫ひろし:『猫ひろしのマラソン最速メソッド』だけは、 サブスリー(フルマラソン3時間以下)を達成したい ランナーの共感を得て売れました。『僕がカンボジア 人になった理由』は堀江さんに帯を書いてもらったDVDのもとにも なっている本です。きっと、たくちゃんがラーメン本を出した方が売 れますよ。
たくちゃん:いや、売れないですって。Twitterのフォロワーが6,800 人しかいないし、ラーメン以外の事をツイートすると15人ずつフォ ロワー減るんですよ。
猫ひろし:僕も同じです。YouTubeでランニングの話にギャグを入れ たら視聴者にダメ出しされました。「猫さんをランナーとしてすごく尊 敬しています。ただ、ギャグはちょっと違 うと思います」って(笑)。
たくちゃん:難しいですよねぇ。ところで、 高田馬場に思い出はありますか?
猫ひろし:「早稲田小劇場どらま館」に公 演の手伝いで通ったこともありますし、 ラーメン屋さんにも来ますね。お笑い DVDの撮影で「外国人に日本のギャグ が通じるか」というテーマで、韓国と南 米系の飲食店でネタをやりました。僕の 下ネタは南米系ではウケるけど、韓国系では「下品だ、信じられな い!」って怒られました。それがめちゃ面白かったです。
たくちゃん:韓国は漫才のツッコミで頭を叩くのも怒りますよね。でも 下ネタは割と万国共通でウケますよね。
猫ひろし:カンボジアでも、選手達とはギャグや下ネタで仲良くなっ たんです。ベトナム合宿の時に「いつものあれ見せてくれよ」ってせ がまれて、僕の部屋で下ネタギャグ披露をやってたら人が集まって きて、行列ができちゃいました(笑)。
たくちゃん:あはは! 猫さんの人間力と生命力の強さですよね。「あ なた、普通の日本人じゃないよね?」みたいに言われませんか?
猫ひろし:ありますよ(笑)。
たくちゃん:国際化時代ですから、若い人はぜひ猫さんのDVDを観 て、感じて、勉強して欲しいですね。
猫ひろし:カメラマンさんの熱意が伝わるドキュメントになっている ので、ぜひ多くの方に観ていただきたいです。
たくちゃん:本日はありがとうございました。
ひょうきんな芸人顔とアスリート顔を併せ持ち、明るくパワフルな猫ひろしさん。たくちゃんとの芸人トークに始終笑いの絶えない取材でした。数ある体験談から共通して感じるのは、「できない理由を考えるのではなく、どうしたらできるのか考える」を体現していること。類まれな行動力と人間力で邁進し続ける猫ひろしさんの活躍に注目です。
Text: 櫻井 実由莉
Photo: 石森 亨
ロケ地::ナチュラル&ハンドメイドmakixmaki[ マキマキ]
DVD『NEKO THE MOVIE』(ネコザムービー)
2021年11月19日〔発売中〕 3,960円(税込)
主演:猫ひろし プロデューサー:堀江貴文
HMV/タワーレコード/Amazon等 各ショップにて発売。
◎ワハハ本舗公式ストア:https://wahahahompo.stores.jp
猫ひろしが国籍を変えてオリンピックを目指すと決めた2010年から、リオオリンピック男子マラソンを走った2016年までの6年間、映像にして260時間、走った距離・地球約一周分を84分に編集したドキュメンタリー映像作品です。プロデューサーはホリエモンこと堀江貴文。テーマ曲の竹原ピストル『来た道戻るの大嫌い!』は、この映画のために一部歌詞を変えて再収録。他にも豪華な挿入歌が映画をさらに彩ります。
ゲストプロフィール
1977年8月8日生/千葉県出身。お笑い芸人、カンボジア国籍のマラソンランナー。大学卒業後にフリーで芸能活動をはじめ、2003年WAHAHA本舗の新セクション、WAHAHA商店に所属。テレビ番組の企画がきっかけで、30歳を過ぎてからマラソンを始める。2011年オリンピック出場を目指し国籍をカンボジアに変更。2016年、男子マラソン カンボジア代表としてリオ五輪出場をはたす。ラジオ「猫ひろしのキバRunラジオwith チェリー吉武」(レインボータウンFM)、著書『僕がカンボジア人になった理由』、『猫トレ 猫ひろしのマラソントレーニング』、DVD『NEKO THE MOVIE』等。動画配信、講演会などマルチに活躍中。
公式サイト【猫魂】
https://neko-hiroshi.com
公式SNS
Twitter:@cathiroshi
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