マイ本 Vol.51 『日本の敗因 -歴史は勝つために学ぶ』
MY本 Vol.51
地元在住で「高田馬場駅周辺地域整備協会」の事務局長として街づくりに尽力する樋山さん。代議士秘書時代に100冊以上の本を乱読する中で、ソ連崩壊を予言していた社会学者小室直樹氏の『ソビエト帝国の崩壊』を読み、その後小室氏の著書を30冊以上読むなかで本著に出会ったという。
前新宿区議でもある樋山さんは、かつて音楽家を目指し、その後は政治家を志しながら、舞台制作やイベントの企画運営などに携わり28歳で代議士秘書になった異色の経歴を持つ。樋山さんは「勝てなかった日本のシステム」の章が特に印象的だったと話す。そこには「無能な秀才」を中枢に置く日本のシステムが第二次世界大戦の敗因となり、50年後にも同じ敗因で経済敗戦がもたらされ、この「日本のシステム」を葬らねば、あらゆる分野で敗戦は続くと述べている。そして日本には人を育てる教育、そして年功序列の伝統主義を打破するイノベーションが必須であるとも語られている。本著をきっかけに「常に客観的に物事を見るようになり、自分は調整役が向いていることに気が付いた」という樋山さんは、物事のエッセンスを探し、人に潜む本当の言葉をくみ取ることを意識するようなったと話す。
「高田馬場駅は国内トップクラスの乗降客数で、ポテンシャルが高いにも関わらず開発が遅れています。街づくりには多くの利害関係者がいるので、そのハブとなる調整役を担っていきたい」と想いを話す樋山さん。これからも地元の未来づくりに、末永く貢献してくれるに違いない。
日本を敗戦に追い込んだシステム。50年後、再び同じ敗因でもたらされる経済敗戦。「日本の悪しきシステム」を歴史から分析する。
高田馬場駅周辺地域整備協議会事務局長
樋山 真一さん
前新宿区議会議員。衆議院議員与謝野馨秘書を務めた後、新宿区議会議員(3期)。現在、高田馬場西商店街振興組合理事、新宿区ダンススポーツ連盟 顧問、NPO法人ジャパンカインドネス協会 理事などを務めながら、高田馬場の街づくりに尽力している。