マイ本 Vol.57『朽ちていった命ー被曝治療83日間の記録ー』
MY本 Vol.57
約500人もの学生を束ね、早稲田大学の理工キャンパスで秋に開催される理工展の主催団体「理工展連絡会」の代表の根岸さん。高校時代にYouTubeをきっかけにこの本を知り、大学で原子力や生命について学ぶ中で、改めて読んだという。
本著は東海村臨界事故で1人の被爆者の方が無くなるまでの83日間の治療の経過と苦しみが記録されており、医療では太刀打ち出来ない、被害の悲惨さに衝撃を受けたそうだ。そして、エネルギー開発では安全性や事故防止の重要さを強く感じたという。読後も過去の原発事故や原爆、被曝について調べ、長崎の原爆資料館へも足を運び、改めて核戦争はあってはならないこと、そして原子力発電に携わる人はまず安全性を最優先に担保すべきであると考えるようになったという。
本著も含め興味がある物事について、まず周辺情報を調べ、見聞を広げるために実際に行動する根岸さん。理工展の代表としても、会員それぞれの興味を元に自分の役割、出来ること考えるように促し、一人ひとりの良い面、役割を活かせるよう行動していると話す。「GEAR」をテーマに開催する今年の理工展。学生、来場者すべての個性や好奇心が歯車のように噛み合い、調和することで魅力的なコンテンツやイノベーションが生まれ、学生たちの原動力が来場者の心に刻まれるような催しとなることだろう。

1999年茨城県東海村で発生した臨界事故の被爆者の一人、大内久さんの83日間の闘いを記録。人知及ばぬ放射線の恐ろしさを改めて問う渾身のドキュメント。
第72回 理工展連絡会代表
根岸 秀輔さん
早稲田大学先進理工学部電気・情報生命 工学科3年。西早稲田キャンパスで開催さ れる理工展は例年約2万人もの来場者を誇 る。「第72回 理工展」は2025年11月1日 (土)、2日(日)の10:00~17:00開催。 ※オンライン配信も実施
☆理工展連絡会
https://circle.rikoten.com/