現在、早稲田大学をはじめとする受験や資格試験の合格祈願で有名な寶泉寺は1200年(西暦810 年草創)の歴史を持つ、早稲田で最も古い天台宗のお寺。最盛期の江戸時代には広大な寺領を誇り、現在の早稲田大学本部のある早稲田キャンパスの大部分が寶泉寺の敷地だったという。薬師如来を祀る当時の本堂は、大隈銅像の辺りにあったそうで、早稲田大学とは非常に繋がりの深い寺なのである。最近では地域住民や早大生の参加を募って、地域の子どもたちのために街のごみ拾いなどを行う「早稲田てらこや」を開催するなど、地域貢献にも積極的に取り組んでいる。
もともとは現在の早稲田大学キャンパス内にある大隈重信像のあたりに「本堂」があったと伝えられている。しかし第二次世界大戦の空襲などにより消失後、現在ある本堂は、昭和41年に建立。平成に入って新たに造像された本尊の薬師如来は、この世のあらゆる願い事を叶えてくださる仏様であり、病気平癒、家内安全、学業成就、諸願成就にご利益があるとのこと。さらにもう1つ、宝泉寺のシンボルとも言えるのが境内に構える梵鐘。江戸鋳物師(いもじ)の技術が頂点に達した正徳年間に鋳造されたもの。江戸時代の梵鐘は第二次世界大戦中の供出により現存数が少なく、技術的にも史料的にも価値が高く、貴重なものとして新宿区登録文化財にも指定されている。毎年大晦日を迎えると、除夜の鐘が早稲田の街に響き渡る。
その昔、お寺は学問の場であり、文化の発祥地でもあった。そして地域コミュニティーの中心として、子どもからお年寄りまで、多くの人が常に集い、語り合う場所でもあった。こんなふうにお寺がみんなの居場所となれるよう宝泉寺では「早稲田てらこや」を開始。早稲田大学の学生や地域の人々が一緒になって、子どもたちとさまざまな企画や行事を行い、毎月第三土曜日、地域清掃などを通じて共に学んでいる。開催予定、活動状況は宝泉寺公式HPにて写真とともに紹介しているので、ぜひご覧ください。また参加ご希望の方は、宝泉寺サイト「ご相談」ページからお問い合せください。
■春彼岸中日法要~三月彼岸中日~
清浄な気持ちで、ご先祖様のご供養を全檀信徒で行う。
■花まつり~四月八日~
お釈迦さまの誕生を祝い、お釈迦さまの智慧と慈悲の教えを信じてゆくことを誓い、お祈りをする。また、子供がすくすくと育つことを祈る日でもある。
■施餓鬼会~七月~
六道輪廻の世界にある凡夫の中でも、死後に特に餓鬼道に堕ちた衆生のために食べ物を布施し、その霊を供養する。
■秋彼岸中日法要~九月彼岸中日~
全檀信徒とともに、本堂にて大法要を行う。
■除夜の鐘~大晦日~
12月31日の除夜(大晦日の夜)の深夜0時を挟んで、108回撞かれる。
宝泉寺では随時、開催行事の相談を受け付けています。「こんなことがしたい」といったご要望があれば気軽にご相談ください!
受験、就職、恋愛、病気…あらゆるものに「勝つ」!宝泉寺の 「勝守り」はテレビでも紹介された有名なお守り。えんじ色に大きく「W」の文字が入った、なんとも早稲田らしいデザインの「勝守り」は、元早大野球部、現在プロ野球選手の斎藤祐樹投手も持っているとか。また、早稲田大学受験にご利益があるということで多くの受験生や保護者の方が寶泉寺の「勝守り」と求めてくるそう。住職の大塚さんは「奥まったところにあるから入りづらいとは思いますが、もっともっと多くの人に来てほしい。早稲田と言えば寶泉寺、と言われるようになりたいですね」と語ってくれた。 (取材・文 吉田みず季)
6:30~18:00(※いつでも入れます)
新宿区西早稲田1-1-2