★ラーメンラリー2024エントリー店
16周年でスープ&トッピングを一新!丸鶏、鶏ガラなどじっくり鶏の旨みを抽出した黄金に輝くスープ。全国からラーメン好きがわざわざ来店する人気店。
ラーメン店の多く連なる屈指の激戦区に店を構える「麺屋宗 高田馬場本店」。ここは高田馬場駅から徒歩7~8分ほどにある早稲田通りと明治通りの馬場口交差点すぐにある。「麺屋宗 高田馬場本店」は2007年4月に、そしてその2年後には中目黒にも出店。店名の「宗」という名前には日本を代表する工業デザイナーのパイオニア;故 柳宗理氏の作品が溢れているお店であること、また、その氏の親戚にあたるオーナーの名前の一文字でもある。今やメディアでも多く取り上げられ不動の人気を誇る『塩らーめん』の名店である。
オーナーの柳氏は『女性も気軽に入れるラーメン店を』というコンセプトをもとに仲間と共に旗揚げした。ラーメン聖地と云われる高田馬場・早稲田界隈は1つの味を極めた直球勝負の店が多いうえに、特にこってり系のラーメンを敬愛する根強いファンが多くを占める。「こってりだらけの環境の中だから、あっさり系のオリジナリティで勝負したかった。ニッチの中こそ、実はニーズが高いのではないかと信じていた」と柳氏は語る。
そして試行を重ねた誕生したラーメンが、シンプルながら奥深い旨味だけを抜き出した“淡麗系”の『塩ラーメン』。そんな『塩ラーメン』は女性の客も多い中で、近隣の早稲田大学をはじめとした学生や若者もよく訪れるという。
1番人気は、味玉らぁめん(塩) 。開店当初から幾度となく試行錯誤を繰り返し辿り着いた自信作が、今の味。スープは鶏ガラに加え、いかゲソ・エビ・昆布・カツオ節など10種類以上の魚介素材を調合させることにより、さらに旨味が凝縮されている。そして、ポイントとなる塩ダレにはヒマラヤの「ピンクロックソルト」と対馬の「浜御塩」をバランスよくブレンド。山と海のモノが織りなすハーモニーは非常にまろやかな味わいとなる。ミネラル豊富で身体にも優しいところも嬉しい。麺は「中太ちぢれ麺」とひと手間かけた「ボコボコ麺」の2種があり、つけ麺においては「ひらうち麺」を使用。「ひらうち麺」と同様の多加水麺である「「ボコボコ麺」は、うま塩そばに10円増しで変更可能!特徴であるモチモチ感と不思議な食感がたまらないと人気急上昇中である。
こじんまりした店内はカウンター席のみで、店内にはカトラリーをはじめ椅子やお冷用の日本酒グラスなど、柳宗理氏の作品がそこかしこにあふれ、非常に洗練された魅力的な空間になっている。カウンターは、ラーメン店らしくない黒畳を使用。装飾でも宗理氏の作品である手ぬぐいを額縁に入れて飾ることなどにより、1つの食のアート空間となっている。「ラーメンという親しみやすい料理と心豊かにする食器をコラボさせることで、柳宗理のデザインをより身近に感じて欲しい。一種風変わりなアンテナショップと思ってもらえれば…」とオーナーは笑う。個性的な造りではあるが、不思議な雰囲気を醸し出し、女性にも好評のようである。
ラーメン店にも関わらず、丼物も楽しめる。おすすめは「たまごかけごはん」。柳宗理氏の窯元があるという出雲の古代柱醤油が旨味を引き出す。シジミのエキスを抽出し減塩されたほんのり甘みのある醤油は卵とよく絡み、さらに味わい深いものとなる。また、備長炭で炙ったチャーシューは酒のつまみに最適だと大変な人気である。ほかに、スイーツにも注目したいところ。例えば、麺にココア粉を練り込み、さらにチョコを取り入れた麺など、新感覚スイーツが楽しめるよう日々工夫を凝らしている。ラーメンも含め、期間限定メニューの内容は時期によって変わるので要チェック!また、老若男女幅広く「麺屋宗」を知ってもらいたいために、麺とスープはインターネット通販で購入可能だ。
カウンターには「らくがき帳」があり、誰でも自由に書き込めるようになっている。学生や常連さんが個人的な日常の出来事や、店の味への感想やアドバイスを書いていく。「足を運んでくれる皆で、一緒に作るお店にしたい」というオーナーの貴重なコミュニケーションツールのひとつとなっている。より多くの人に愛されるお店にするためにも出来るだけ多くの人と触れ合い、お客さんとともに成長していきたいという柳氏の想いが現在90冊目という数字にも表れているのであろう。時代の流れとともに歩みを止めることなく、もっと遊び心のある多様なジャンルに果敢に挑んでいきたいという「麺屋宗 高田馬場店」に今後ますます目が離せない。(取材・文:Eriko.OBA)
11:30~15:00 / 17:00~21:00
日曜日