さくまクリニックは、2011年10月に開業したばかりの内科クリニック。早稲田駅から徒歩1分なので、患者さんにとても便利。内科を中心としたこちらのクリニックでは、院長が心療内科・精神科を、副院長が一般内科・糖尿病内科を担当されている。糖尿病と心療内科?と意外に思われるかもしれないが、これらの分野は実はお互いにとても深く関係している。近年の糖尿病医療では、糖尿病患者さんが抱える心の問題にどのように対処していくか、という精神ケアが非常に重要であることがわかってきた。さくまクリニックは、最先端の治療法を採り入れた国内でも珍しい、とても頼もしいクリニックなのだ。大学や研究施設が近くにありながら、心のケアをする場所が少ないこのエリアでは貴重な存在だ。
糖尿病などの生活習慣病は、毎日の食事や行動に左右される病気。そして、その行動を選択する「考え方」に大きく関わるのが心療内科の分野。つまり、これらふたつの分野は深い繋がりがあるということ。生活習慣病を治療するとなれば、まさに生活習慣の変更やそのための意識の改革が求められる。そのため、患者さんにとって治療自体がストレスになってしまうことも。そういった面でも、心療内科と糖尿病内科を診察しているさくまクリニックは、患者さんにとってトータルケアをしてもらえる心強いクリニックなのだ。一つの分野だけでは見逃してしまいがちな些細な事も、お互いの盲点を補い合ってしっかりと治療を行っている。
「自分が疲れていることに気づかないで、無理をしてしまう人が増えています」と先生は神妙な顔で話す。あなたも無意識のうちに疲れが溜まっているかも? よく眠れない、楽しみや喜びを感じない、疲れているはずなのになぜか疲れを感じないなどという人は要注意。心のバランスが崩れかけている予兆なのかもしれない。もしかすると心療内科に行くことに抵抗を感じている人もいるかもしれないが、身体の調子が悪ければ病院に行くように、心が弱れば診察してもらうのは自然なこと。心の病は誰にでも起きる病気なのです。ストレスも糖尿病も早期発見が治療の重要なポイント、早めに病院を訪ねよう。親身になって相談に乗ってくれる先生方があなたにあった解消法をきっとみつけてくれるだろう。
糖尿内科、心療内科、一般内科を専門とするさくまクリニック。糖尿病の治療と同時にメンタルケアもサポートしてくれる新しいタイプのクリニックとして、その診察スタイルも実に個性的である。「まずは気楽に、自分のことを話しに来てみてください。治療はそれから」と先生。さくまクリニックの診察では、一方的な治療の押しつけは一切せず、患者さんの話にじっくりと耳を傾けることに重点を置いている。話をしていくうちに患者さん自身が自分の心理状態や問題点に気づくことも多いそうだ。糖尿病は日常生活や精神状態と密接に結びついているため、患者さんが安心して相談できるパートナーになることが最善の治療になるという。ひとりで悩んでいても解決しないことも、言葉にすることで解決の糸口が見つけられることもある。しっかりと聞く態勢の整っているさくまクリニックで、安心して、悩んでいること困っていることを話してみよう。
さくまクリニックでの診療は、薬での治療の他、ストレスをコントロールするための指導や認知療法など、さまざまな方法を採り入れた治療を行っている。また、院内にはストレスの度合いや自律神経の乱れなどをチェックする機器も導入されている。これは、指先に装着したセンサーによって、脈の波形から心拍の変動や血圧などを計測するというもの。データを数値化することによって、ストレス値や血管年齢など、さまざなな項目から自分の状態を客観的に見ることができるのだ。まずは自分自身を知ること。それが、効果的な治療への第一歩なのである。
さくまクリニックの特徴のひとつは、病院とは思えないような内装だ。曲線を描く木製の壁面がシンボルとなり、ウッドによる優しい空間となっている。そして大きな窓、あたたかみのある照明のおかげで、診察前の緊張感を解きほぐしリラックスさせてくれる。また、プライバシーを考慮し、待合室から少し奥まったところにある診療室は、誰がどの部屋で診察を受けているかわかりにくい設計になっている。さらに、待合室で患者さんの名前を呼ばず、受付時に手渡された端末のバイブレーションによる合図で本人にのみ呼ばれたことがわかるというシステムを採っている。受付から診察まで、患者様のプライバシーにしっかりと配慮がされたクリニックなのだ。
取材中も始終穏やかな雰囲気の先生方。くつろげる空間、話しやすいあたたかい場所……クリニックといえば「病気になって困ってから尋ねる所」というイメージだが、もっと気楽に、自分自身の状態を知るために尋ねてみてもいい場所なのかもしれない。「人の話を聞くことが好きなんです。こんな小さなことで相談していいの? なんて悩むくらいなら、気軽になんでも話しにいらしてください」と先生は笑顔で語ってくれた。調子が悪い時だけでなく、今現在健康な方もちょっとした悩みや不安があるようならば、一度こちらのクリニックに足を運んでみてはいかがだろうか。頼りになる先生方が、あたたかく迎えてくれるはずだ。
(取材・文 中山佐保子)
午前の部 9:00-13:00
午後の部 15:30-18:30(土曜は15:00-17:00)
※土曜午後:心療内科のみの診療・内科は休診
木曜、日・祝(火曜は午後休)