十人音色 vol.02 〜人と音楽〜

「やってみたい！」を引き出す

子ども達の習い事の一つとして定番の‘ピアノ’。しかし、「まったく練習しない」とか、「途中であきてしまった」などというお母さんの悩みの声は、とても多く聞かれます。ピアノから学べることは沢山あると私達大人は理解していますし、素晴らしい曲をうちの子供がスラスラと弾けるようになったら…と憧れも募りますね。しかし子ども達にとっては、指や感覚が養われるまで、練習はなかなか苦しいものです。難しそうだなと感じる事に挑戦するとき、大人だって少し尻込みしてしまいますものね。それを、どんな風に「やってみたい！」ものに一緒に変えていくか。私達、講師の役目です。

■子ども達が興味を持ち、楽しんでピアノに向き合える工夫を。

弾きたい曲があっても、指がなかなか思うようについて行かない。楽譜記号が覚えられない。そんなことが重なれば、練習はどんどん“嫌な事”になってしまいますね。そんな時には練習方法を工夫してみましょう。子ども達のそれぞれの得意・不得意に合わせて、楽譜の見方をほんの少し変えてみる。指の動きの練習方法を変えてみる…など。

様々な角度からヒントを出し、子ども達が自ら考えてまず弾いてみる。すると子ども達の「なるほど！」は引き出されます。子ども達の発想力に、私達講師も毎回発見の連続です！

■出来ない事に挑戦する「難しそうだな」と、「ワクワク楽しみ」は表裏一体。

技術を身に着けるよりもまず、大切な事。ピアノを楽しみ、親しむことから始めましょう。ピアノは両手・足を使うと共に、頭で考え、そして表現する。つまり右脳と左脳、両方を刺激しています。 その為、演奏能力がつく、耳が良くなる、IQが高くなる、楽譜が読める、記憶力がつく、想像力が育つなど、ピアノを通じで得られるスキルは良いことだらけ！しかしここでもう一つ、身に着けて欲しい事。それは「難しそうなことへの挑戦をワクワクに変える力」です。

■ピアノで人間力も養おう

苦手な事をワクワクに変換する力は、音楽家にならずとも、将来必ず役に立つでしょう。

こうして弾けるようになったピアノは、子ども達に達成感を与えます。これを何度も繰り返していくうち、いつの間にか子ども達の心に自信！ピアノの技術面での成長と共に、子ども達の心は大きく育ち、奏でる音が、成長した子ども達の心をお父さんお母さんの元に運んで来てくれる日が来るでしょう。自らピアノを演奏し、生の音を奏でる経験自体、とても素晴らしい事です。焦らずに、お子様の目標を講師と共有し、子ども達の健やかな成長を楽しみに待ちましょう！

カナリアミュージックスタジオ代表
ボーカル講師・リトミック講師
島田 紀子
4歳からピアノをはじめ、13歳からバンドでギターボーカルを担当。2007年PearlとしてCDデビュー。現在までに5枚のCDをリリース。着うた月間ダウンロード1位、CDショップの予約チャート1位、デイリー総合チャート1位を記録。シンガーソングライターの他、ラジオパーソナリティー、楽曲提供等も行う。出身地で栃木県からの委嘱で「とちぎ未来大使」としても活躍中。