【早稲田松竹】01/21(土)~01/27(金)「ギャング・オブ・ニューヨーク」「タクシードライバー」「海と毒薬」「沈黙 SILENCE(1971)」
★マーティン・スコセッシ監督『タクシードライバー』『ギャング・オブ・ニューヨーク』と、遠藤周作原作『沈黙 SILENCE』(1971)『海と毒薬』を日替わりで交互に上映いたします。変則的なスケジュールになりますのでご注意ください。
いよいよマーティン・スコセッシ監督の構想28年の執念の企画、
遠藤周作の名作「沈黙」の映画化作品『沈黙-サイレンス‐』が公開になります。
それを記念して、今回はスコセッシの監督作品と遠藤周作の原作作品の特集をお送りします。
スコセッシも遠藤周作も敬虔なカトリック教徒です。
キリスト的宗教観を通して現実を果敢に生きようとする人々を鮮烈に描いてきた二人の作品を振り返り、
『沈黙-サイレンス‐』観賞のガイドとして頂けたらと思います。
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ギャング・オブ・ニューヨーク
GANGS OF NEW YORK
(2002年 アメリカ/イタリア 167分 )
1/21(土)・23(月)・25(水)・27(金)上映
開映時間 12:35 / 17:40
■監督・製作 マーティン・スコセッシ
■製作 アルベルト・グリマルディ
■脚本 ジェイ・コックス/ケネス・ロナガン/スティーブン・ザイリアン
■撮影 ミヒャエル・バルハウス
■音楽 エルマー・バーンスタイン/ハワード・ショア
■出演 レオナルド・ディカプリオ/キャメロン・ディアス/ダニエル・デイ=ルイス/リーアム・ニーソン/ヘンリー・トーマス/ブレンダン・グリーソン/ジム・ブロードベント/ジョン・C・ライリー/ゲイリー・ルイス
■2002年アカデミー賞作品賞、主演男優賞、監督賞、 脚本賞ほか6部門ノミネート/ゴールデン・グローブ賞監督賞・歌曲賞受賞/NY批評家協会賞男優賞(ダニエル・デイ=ルイス)受賞 ほか多数受賞・ノミネート
■パンフレット販売なし
©2002 Initial Entertainment Group & Miramax Films all rights reserved
★4日間上映
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この復讐が終われば、
愛だけに生きると誓う。
世界が変わろうとしていた19世紀。
アメリカは壮絶な戦いと運命の恋に揺れた――。
19世紀半ば、ニューヨーク。縄張り争いを繰り広げる移民同士の抗争により、目の前で父親を殺された少年アムステルダム。自らも投獄された彼は、15年の 時を経て、父を殺したギャング組織のボス、ビルへの復讐を誓い、この地に帰ってきた。素性を隠し、ビルの組織に入り込んだアムステルダムは、そこで美しく も謎めいた女ジェニーに出会い、許されない恋におちる――。
巨匠マーティン・スコセッシが、30年温めてきた構想を、撮影期間270日、総製作費150億円以上の巨費を投じて挑んだ超大作。70年前(当時) に出版されたハーバート・アズベリーの伝説的ノンフィクションをもとに、アメリカ史激動の時代のニューヨークに生きる人々の壮絶な生き様、極限の中で生ま れた究極の愛を見事に映像化した、壮大な一大叙事詩である。
主人公アムステルダムを演じるのは、『タイタニック』でカリスマ的な人気を獲得したレオナルド・ディカプリオ。スコセッシとは、本作から2013年の『ウルフ・オブ・ウォールストリート』まで実に5度のタッグを組むこととなった。相手役ジェニーにはキャメロン・ディアス、また敵役ビルを、映画界から一時引退していた名優ダニエル・デイ=ルイスが圧倒的な存在感で演じている。
タクシードライバー
TAXI DRIVER
(1976年 アメリカ 114分 )
1/21(土)・23(月)・25(水)・27(金)上映
開映時間 10:30 / 15:35 / 20:40
■監督 マーティン・スコセッシ
■脚本 ポール・シュレイダー
■撮影 マイケル・チャップマン
■音楽 バーナード・ハーマン
■出演 ロバート・デ・ニーロ/シビル・シェパード/ピーター・ボイル/ジョディ・フォスター/アルバート・ブルックス/ハーヴェイ・カイテル
■1976年カンヌ国際映画祭パルム・ドール/アカデミー賞作品賞、主演男優賞、助演女優賞、作曲賞ノミネート/全米批評家協会監督賞・主演男優賞・助演女優賞受賞
■パンフレット販売なし
©1976, renewed 2004 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
★4日間上映
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元ベトナム帰還兵のタクシードライバーを通して
現代社会の病理を痛烈にえぐり出す、
アメリカン・ニューシネマ最後の傑作
ベ トナム帰りのタクシードライバー、トラヴィス。彼は毎夜ニューヨークの街を流しながら、世の中への苛立ちを抱えていた。そんなある日、トラヴィスは大統領 候補の選挙事務所に勤めるベッツィに目をつけ、デートの約束を取り付ける。しかし彼はこともあろうに彼女をポルノ映画館に連れて行き、絶交されてしまっ た。鬱屈した精神状態へと追い込まれるトラヴィス。やがて、闇のルートで強力な銃を手に入れ、自己鍛錬に励むようになるが…。
1976年のカンヌ映画祭パルム・ドールを受賞した、マーティン・スコセッシの出世作。主演のロバート・デ・ニーロは、徹底した役づくりをすることで知ら れ、本作においても、実際に数週間タクシードライバーとして過ごすという入念な準備をおこなった。また、売春婦アイリス役は当時13歳のジョディ・フォス ターが勝ち取ったが、オーディションには250人以上の応募者がいたという。
「――お互いに心のふれあうことのない大都会の人たち。ただひしめきあって生きているにすぎない都会の群衆。ひとりの青年が、自分の存在を必死で世 間に認めさせようとする。(中略)タクシードライバーは都会に生きる人間の典型的なタイプをそなえている。多くの人間に接触しながら、彼はクルマというメ カニックの一部に組み込まれている。ここにトラヴィスを"行動"に駆りたてたキッカケを見つけることができる――」(公開当時の作品チラシより抜粋)
海と毒薬
(1986年 日本 123分 )
1/22(日)・24(火)・26(木)上映
開映時間 12:55 / 17:35
■監督・脚本 熊井啓
■原作 遠藤周作
■撮影 栃沢正夫
■美術 木村威夫
■音楽 松村禎三
■出演 奥田瑛二/渡辺謙/岡田真澄/成田三樹夫/西田健/神山繁/岸田今日子/根岸季衣/田村高廣
■1987年ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員特別賞)受賞/ブルーリボン賞監督賞受賞
■パンフレット販売なし
©滝島恵一郎
★3日間上映
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俺たちは罪を犯したのだろうか…
遠藤文学不滅の傑作が完全映画化
昭和20年5月、敗戦の色はもはや隠しようもなく、九州F市にも毎晩のように米軍機による空襲が繰り返されていた。F帝大医学部研究生、勝呂と戸田の二人 は、物資も薬品もろくに揃わぬ状況の中で、なかば投げやりな毎日を送っていた。そんなある日、勝呂と戸田は、教授たちにのもとに呼び出され、驚くべきこと を要請される。それは、B29爆撃機の捕虜8名の生体解剖実験を手伝えというのものだった…。
太平洋戦争末期に実際に起こった米軍捕虜に対する生体解剖事件を描いた遠藤周作の同名小説を、社会派・熊井啓監督が映画化した問題作。センセーショナルな内容から映像化が難航し、企画から15年が経ってついに完成した。
事件に否応なく巻き込まれていく二人の若い医学生の姿を通して描かれる、日本人の罪と罰に対する意識の在り方。「極限状況に立たされた時、ふつうの人間がふつうでなくなる。その恐ろしさを描きたかった。」と熊井監督はいう。
手術シーンの小道具のほとんどは戦時中に実際に使用されていたものを集め、撮影には東大の外科医たちが立ち会った。さらに本物の血液を使用するというリアリズムが徹底され、話題となった。ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞、キネマ旬報ベスト・テン第1位。
沈黙 SILENCE(1971)
(1971年 日本 130分 )
1/22(日)・24(火)・26(木)上映
開映時間 10:30 / 15:10 / 19:50
■監督・脚本 篠田正浩
■原作・脚本 遠藤周作
■撮影 宮川一夫
■美術 栗津潔
■音楽 武満徹
■出演 ディヴィッド・ランプソン/マコ・岩松/ダン・ケニー/岡田英次/岩下志麻/三田佳子/丹波哲郎
■1972年カンヌ国際映画祭パルム・ドールノミネート
■パンフレット販売なし
©表現社
★3日間上映
★本編はカラーです。
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神よ…私はあなたを棄てる。
この世で生きるに値する唯一のもの…「愛」のために。
西洋と日本の原点を衝き世界を震撼させた現代文学を映画化
17世紀中頃の日本。激しい弾圧がキリシタンに加えられている長崎に、密かに入った二人のポルトガル宣教師がいた。ガルペとロドリゴである。20年前に渡 来し捕らえられた恩師の消息を探るのが目的だ。キチジローに案内され隠れキリシタンの村にかくまわれたガルペとロドリゴだったが、キチジローは金欲しさに ロドリゴを役人に売り渡してしまう…。
1966年に発表され第2回谷崎潤一郎賞を受賞した遠藤周作の同名小説を、篠田正浩が映画化。原作者の遠藤が、監督の篠田とともに脚色を担当した。出演は ディヴィッド・ランプソン、日系俳優マコ・岩松、丹波哲郎や岡田英次といった国際派に加え、岩下志麻、三田佳子の二大女優が初競演。撮影は宮川一夫、美術 は粟津潔、音楽は武満徹と錚々たるスタッフが集結した。
キリシタン弾圧が激しかったころの長崎で、血にまみれ、命を懸けて信じたものを棄て、愛に生きた一人のポルトガル司祭。ヨーロッパの精神に東洋の心が投げかける重大な苦渋に充ちた問いかけを描いた本作は1972年のカンヌ国際映画祭に正式出品された。
上映作品によりタイムテーブルが異なりますので、週により開館・閉館時間は異なります。