早稲田散歩vol.3 【早稲田界隈文学散歩】
みなさんこんにちは!梅雨に入りじめじめした日が続きますね。雨降りの合間をぬっていつもと違う場所に足を運ぶと気分をリフレッシュできるかもしれません。
今回は"早稲田界隈文学散歩"と題して、夏目漱石ゆかりの地をめぐります。
東西線早稲田駅からスタートです!2番出口を出てすぐ右手には小倉屋という酒屋があります。350年以上続く歴史ある酒屋で、漱石の随筆『硝子戸の中』にも登場します。「わせだ夏目坂」や「わせだの郷」といったオリジナル商品のほか様々なお酒を扱っています。
小倉屋の裏手、やよい軒との間には夏目漱石誕生の地を示す記念碑が建っています。漱石は1867年に生まれ、1916年に生涯を閉じました。2017年は生誕150周年記念の年ということで、石碑の右奥に句碑が追加で設置されました。また早稲田南町に新宿区立漱石山房記念館が開設され、漱石の面影をより強く感じられるようになりました。というわけで、右手に続く坂を上って漱石山房記念館を目指して歩いていきます!
坂の名前は夏目坂といいます。これは漱石の父で、牛込から高田馬場一帯を治める名主だった、夏目小兵衛直克が命名したことに由来しています。ちなみにここ喜久井町という町名も、直克が夏目家の家紋「細井桁に菊」から名付けたそうです。漱石が有名になる以前から、この地域では夏目家は有名だったのですね!
さてさて、夏目坂を上っていく途中面白いポイントがいくつかあったのでご紹介します。
まずは「酒菜そうせき」というお店。いつか訪れてみたいです。
二つ目の交差点にはインパクトの強い看板が。ガソリンスタンドです。(別日に通った時には店内が華やかにライトアップされていました。)ガソリンスタンド隣の奥、来迎寺の門前には人懐こい猫がいました。
三つ目の交差点手前にある感通寺は、長い塀と開かれた門が特徴的でした。少し中へお邪魔します。
境内にはいくつかの案内板が立っていました。太平洋戦争時の空襲で喜久井町一帯が焼け野原になり、多くの人が苦しんだこと、平和への願いをこめて「さざれ石」が置かれていることなどが書いてありました。門を入って左には無縁仏の供養塔とたくさんの石像が置かれていました。またその反対側、池の奥には喜久井町観音がこちらを見つめていました。
交差点(三叉路)を左、道幅の狭い方に進みます。案内が出ているのでご安心を。
最初のT字路を左に曲がり直進。右手に公園を見ながら坂を下り、右に曲がります。そしてまたすぐ左折。早稲田幼稚園・小学校と牛込第二中学校の間の道を進んでいきます。早稲田幼稚園・小学校の校舎はベージュでとてもおしゃれ!窓の形も素敵です。そして上部の彫り込み…あれは八芒星では…!八芒星について詳しくは第一回早稲田散歩で触れていますので、そちらをご参照くださいね。
突き当たったら右に曲がって進みます。この道は漱石山房通りといい、随所に猫マークが施されています。漱石ファンのみならず猫好きもわくわくするのでは?
そして漱石山房記念館に到着です!
漱石山房とは、漱石が晩年に過ごした旧居の名称です。11年の作家生活のうち9年間をこの地で過ごしました。漱石は妻の鏡子と二男五女の家族で暮らし、毎週木曜日の午後には「木曜会」という文学サロンを開いては数々の文学者たちと交流しました。
記念館一階の導入展示は無料で楽しめます。説明パネルと映像を通して、漱石の親しみやすい人物像が浮かび上がってきます。紹介映像は猫視点で語られている点がチャーミングですよ。
漱石山房の客間・書斎・回廊の再現エリアと、二階の展示は観覧料を払って入場します。特に書斎は細部までこだわって再現されており、一見の価値ありです!ボランティアガイドの方が解説してくれることもありますよ。
二階は漱石の作品紹介や、漱石と交流のあった人たちのプロフィールが展示されています。初版本の装丁がどれも素敵で思わず手に取りたくなってしまいそうです。漱石が実際にきていた長襦袢にはインクの跡が見られます。また、テーマ展示「漱石と新宿 神楽坂編」は7月16日まで開催されています。
漱石山房記念館に隣接する漱石公園には、大きな芭蕉の木(バナナの木)や 砥草(とくさ)が植えられています。ここでも当時の漱石山房を再現しています。そして公園の中央にある猫塚は、漱石山房唯一の遺構です。『吾輩は猫である』のモデルとなった「福助」をはじめ、夏目家が飼っていた動物たちの供養塔です。
公園内の道草庵では猫塚の落成式の様子を閲覧することができます(上映時間約20分) 。漱石は正岡子規と親交があったことにちなみ、俳句ポストもありました。道草庵では記念館内の展示の要点をぎゅっとまとめてあるので、予習復習にちょうどいいかもしれません。
漱石山房記念館を出て、右手をまっすぐ進むと早稲田通りに出ますので、左に進めば東西線早稲田駅に戻って来ます。ここまでの所要時間は50分ほどです。文豪の暮らしに想いを馳せながらゆっくりお散歩しませんか?
(この地図はGoogle Mapより作成しました)
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〒162-0043 新宿区早稲田南町7番地
Tel 03-3205-0209
開館時間:10時〜18時(入館は17時30分まで)
休館日:月曜日(休日の場合は、直後の休日でない日)、年末年始、その他臨時休館日
観覧料:一般300円、小・中学生100円(通常展)