【早稲田松竹】3/9(土)~3/15(金) 上映 『1987、ある闘いの真実』『判決、ふたつの希望』
その歴史は今も続いている
【特別レイトショー】『静かなる叫び』
1987、ある闘いの真実 1987: When the Day Comes
■撮影 キム・ウヒョン
■編集 ヤン・ジンモ
■音楽 キム・テソン
1987年、一人の大学生の死が人々の心に火をつけた——
空前の好景気“バブル”の幕開 けに日本中が浮かれていた1987年、飛行機でたった3時間の韓国では、歴史をくつがえし、国民全員の人生を劇的に変えた大事件が発生していた——。すべ ての始まりは、一人の青年の“不可解な死”。警察に連行されたソウル大学の学生が、取り調べ中に命を落としたのだ。警察は心臓麻痺だと発表するが、裏情報 をつかんだ新聞が「拷問中に死亡」とスクープし、大騒動へと発展していく…。
誰もが驚愕する。これは、わずか31年前の事件——国民が国と闘った韓国民主化闘争を描く衝撃の実話!
『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』で 描かれた光州事件から7年後、この頃の韓国では、元軍人のチョン・ドゥファン大統領が、軍事政権という名の巨大なハンマーで、国民の真の自由と平和を叩き つぶし続けていた。我慢も限界に達した人々から民主化を求める声が沸き起こり、正義に燃える学生たちも立ち上がり始める。なぜ、ごく普通に働く人々や政治 に関心のなかった学生までもが、最後まであきらめずに闘うことができたのか? 遂に明かされ始めた<韓国民主化闘争>の全貌に迫る、衝撃の実話が完成し た。
監督は『ファイ 悪魔に育てられた少年』が国内で大ヒットを記録したチャン・ジュナン。奥の深いキャラクター描写と、予測不能の展開で一瞬たりとも目の離せないサスペンスの才能を、本作でも存分に発揮している。出演は『チェイサー』のキム・ユンソク、ハ・ジョンウ、『ベテラン』のユ・ヘジン、『お嬢さん』のキム・テリ、『MASTER/マスター』のカン・ドンウォンなど、韓国映画界を代表する名優が顔を揃えた。
小さな力も集まれば、希望に輝く明日を守ることができる——世界が、国と国との関係が、目まぐるしく変わる今こそ必見の一作。
判決、ふたつの希望 The Insult
■脚本 ジョエル・トゥーマ
PHOTO © TESSALIT PRODUCTIONS – ROUGE INTERNATIONAL
ただ、謝罪だけが欲しかった。
レバノンの首都ベイルート。その一角で住宅の補修作業を 行っていたパレスチナ人の現場監督ヤーセルと、キリスト教徒のレバノン人男性トニーが、アパートのバルコニーからの水漏れをめぐって諍いを起こす。このと きヤーセルがふと漏らした悪態はトニーの猛烈な怒りを買い、ヤーセルもまたトニーのタブーに触れる“ある一言”に尊厳を深く傷つけられ、ふたりの対立は法 廷へ持ち込まれる。やがて、メディアが両陣営の衝突を大々的に報じたことから裁判は世間の注目を集め、“水漏れ”から始まった小さな事件は、レバノン全土 を震撼させる騒乱へと発展していくのだった…。
人間の尊厳をかけ、二転三転する裁判の判決はいかに? 圧倒的な驚きと感動に満ちた社会派エンターテインメント!
ク エンティン・タランティーノ監督のアシスタント・カメラマンという経歴を持つレバノン出身ジアド・ドゥエイリ監督最新作。監督の実体験をもとにした、どこ の国でも起こりうる“ささいな口論”が国家を揺るがす法廷劇にまで発展していく物語は、本国で爆発的な大ヒットを記録。さらに世界中を感動の渦に巻き込み 第74回ベネチア国際映画祭では主演のひとりカメル・エル=バシャがパレスチナ人初の男優賞を受賞。第90回アカデミー賞ではレバノン史上初となる外国語 映画賞ノミネートの快挙を成し遂げた。
法廷で次々と明かされていく衝撃の真実と主人公たちが背負った紛争や民族、政治、宗教といった複雑で繊細な問題。忌まわしい過去ゆえに対立する者同士は決 してわかり合えないのか。歴史の悲劇を教訓として、新たな一歩を踏み出すことはできないのか。万国共通の“今そこにある問題”を提起しながらも、個人それ ぞれの尊厳や赦しといった普遍的なテーマを追求したドラマは、観る者の心を深く揺さぶってやまない。
特別レイトショー『静かなる叫び』【Late Show】Polytechnique
■脚本 ジャック・ダヴィッド
■撮影 ピエール・ギル
■編集 リチャード・コモー
■音楽 ブノワ・シャレスト■出演 カリーヌ・ヴァナッス/セバスチャン・ウベルドー/マキシム・ゴーデット/エブリーヌ・ブロシュ■2009年ジニー賞(カナダアカデミー賞)作品賞、監督賞ほか主要9部門受賞■パンフレット販売なし★レイトショー上映はどなた様も一律1000円でご鑑賞いただけます。
★チケットは、連日10:00より受付にて販売いたします(当日券のみ)。
★ご入場は、チケットに記載された整理番号順となります。© 2008 RP POLYTECHNIQUE PRODUCTIONS INC.
あの日のことは今も 私の魂を揺さぶる
1989年12月6日、モントリオール。理工科大 学に通い、就職活動中の女子学生ヴァレリーとその友人であるジャン=フランソワは、いつも通りの一日を送っていた。しかし、そんな日常は突然、恐怖に陥れ られる。男子学生の一人がライフル銃を持って構内に入り、女子学生を目がけて次々と発砲し始めたのだ。容赦ない銃撃に必死に逃げ惑う学生たち。犯人は14 人もの女子学生を殺害し、最後は自殺を図る。重傷を負いながらも生き残ったヴァレリーと、負傷した女子学生を救ったジャン=フランソワ。心に深い傷を負っ た2人は、その後も継続する非日常の中でもがき苦しみ、戦い続けるが——。
カナダで実際に起きた銃乱射事件を基に描き出す、人間の儚さ、痛み、そして希望——ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、幻の問題作!
カナダのアカデミー賞と言われるジニー賞で11部門ノミネート中、作品賞、監督賞など9部門受賞という歴代最多受賞を果たした本作。監督のドゥニ・ヴィルヌーヴは、次作『灼熱の魂』でアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされ注目を浴びる。その後も『プリズナーズ』『ボーダーライン』などを手掛け、『メッセージ』ではアカデミー賞作品賞・監督賞など8部門にノミネート、続いて『ブレードランナー』の続編『ブレードランナー 2049』の監督を任されるなど、ハリウッドで最も注目される監督のひとりである。
1989年にモントリオール理工科大学で14名の女子学生が死亡した実在の銃乱射事件を基に、突然の暴力に対する人間の儚さと、その後に待ち受ける深い痛 みをリアルに描き、そして女性という存在意義を強く問いかけている。ヴィルヌーヴの現在の制作スタイルの原点とも言える渾身の一作。