【早稲田松竹】5/4(土)~5/10(金) 上映 アラン・ロブ=グリエ監督特集『エデン、その後』『快楽の漸進的横滑り』『不滅の女』『ヨーロッパ横断特急』『嘘をつく男』『囚われの美女』
早稲田松竹クラシックスvol.147/ARG アラン・ロブ=グリエ監督特集
20世紀の世界文学を揺るがした革命的なムーヴメント<ヌーヴォー・ロマン(新しい小説)>の代表的作家として知られるアラン・ロブ=グリエ。倒錯的なエロスとフェティッシュを描く諸作で、戦後世界文学・映画の最前線に立つカルチャー・ヒーローとして圧倒的な人気を誇るロブ=グリエの、自由と快楽に満ちた刺激的な映像作品6本を一挙上映!
エデン、その後 L'éden et après
アラン・ロブ=グリエ監督作品/1970年/フランス・チェコスロヴァキア・チュニジア/98分/DCP
■監督・脚本 アラン・ロブ=グリエ
■撮影 イゴール・ルター
■編集 ボブ・ウェイド
■音楽 ミシェル・ファノ
■出演 カトリーヌ・ジュールダン/ピエール・ジメール/リシャール・ルデュック/ロネール・ライネル/シルヴァン・コルテ
■公式サイトhttp://www.zaziefilms.com/arg2018/
■物販情報
・アラン・ロブ=グリエ レトロスペクティブ公式パンフレット(1000円)
©1970 IMEC
豪奢に浪費される極採色、儀式のようなSM遊戯…鮮やかな画面に目を奪われるロブ=グリエ初のカラー作品。
「カフェ・エデン」にたむろして退廃的な遊戯や儀式に興ずるパリの大学生の一団。彼らの前に突如姿をあらわした謎の男が差し出す麻薬らしき粉末を摂取した若い娘ヴィオレットは、死や性愛をめぐるさまざまな幻覚に襲われる…。"『不思議の国のアリス』と『O嬢の物語』の恐るべき邂逅”とも評された、蠱惑的な色彩設計やSM行為、チュニジア・ロケ等鮮やかな画面に目を奪われるロブ=グリエ初のカラー作品。
快楽の漸進的横滑り Glissements progressifs du plaisir
アラン・ロブ=グリエ監督作品/1974年/フランス/106分/DCP
■監督・脚本 アラン・ロブ=グリエ
■撮影 イヴ・ラファイエ
■編集 ボブ・ウェイド
■音楽 ミシェル・ファノ
■出演 アニセー・アルヴィナ/オルガ・ジョルジュ=ピコ/マイケル・ロンズデイル/ユベール・ニオグレ/ボブ・ウェイド/ジャン=ルイ・トランティニャン/イザベル・ユペール
■公式サイトhttp://www.zaziefilms.com/arg2018/
■物販情報
・アラン・ロブ=グリエ レトロスペクティブ公式パンフレット(1000円)
©1974 IMEC
モラルも常識も超越したセンセーショナルな内容で物議をかもした問題作
ルームメイト殺しの容疑で逮捕された若く美しい女・アリス。被害者は、ベッドに拘束され心臓はハサミで突き刺されている。体には書きかけの聖女の殉教の絵。一体なにが…? 本作について、「この女性は来るべき革命の希望を体現しているのだ」とロブ=グリエ自身は語る。しかし公衆道徳に反するともみなしうる先進的表現が物議をかもし、各国で上映禁止、フィルムが焼かれる事件まで発生した。
不滅の女 L'immortelle
アラン・ロブ=グリエ監督作品/1963年/フランス・イタリア・トルコ/101分/DCP
■監督・脚本 アラン・ロブ=グリエ
■撮影 モリス・パリ
■編集 ボブ・ウェイド
■音楽 ジョルジュ・ドルリュー/ミシェル・ファノ/ターシン・カヴァルチオグル
■出演 フランソワーズ・ブリオン/ジャック・ドニオル=ヴァルクローズ/ダイド・チェラーノ/セゼル・セジン/カトリーヌ・ロブ=グリエ
■1962年ルイ・デリュック賞受賞
■公式サイトhttp://www.zaziefilms.com/arg2018/
■物販情報
・アラン・ロブ=グリエ レトロスペクティブ公式パンフレット(1000円)
©1963 IMEC
ルイ・デリュック賞受賞!ロブ=グリエ監督の記念すべきデビュー作
イスタンブールで休暇を過ごし始めた教師の男は、陽気だがどこか謎めいた若い女と出会う。女との邂逅を重ねるうち、男は彼女の不可解さにみずからの妄執をかき立てられ…。従来の「劇映画」の概念を大きく逸脱した過激な語り口が世の驚愕と憤怒を同時に招来した、いまだ「新しさ」に満ちたロブ=グリエの記念すべき監督デビュー作。
ヨーロッパ横断特急 Trans-Europ-Express
アラン・ロブ=グリエ監督作品/1966年/フランス・ベルギー/95分/DCP
■監督・脚本 アラン・ロブ=グリエ
■撮影 ウィリー・クラン
■編集 ボブ・ウェイド
■音楽 ミシェル・ファノ
■出演 ジャン=ルイ・トランティニャン/マリー・フランス=ピジェ/ナディーヌ・ヴェルディエ/ラウール・ギラ/アンリ・ランベール/クリスチャン・バルビエ
■公式サイトhttp://www.zaziefilms.com/arg2018/
■物販情報
・アラン・ロブ=グリエ レトロスペクティブ公式パンフレット(1000円)
©1966 IMEC
シリアスとコミカルを軽やかに行き来する、公開時ヒットを記録した快作
パリからアントワープへと麻薬を運ぶ男の波乱万丈な道中を、幾重にも織重なったメタフィクションで構築し“ヨーロピアン・アバンギャルドの最重要作品”、“最も成功した、理解しやすい実験映画”と絶賛された2作目。ロブ=グリエ自身は“ポルノ映画”とうそぶく、スリラー映画の枠組みを借りてシリアスとコミカル、嘘と真実、合理と非合理の境界を軽やかに行き来する快作。
嘘をつく男 L'homme qui ment
アラン・ロブ=グリエ監督作品/1968年/フランス・イタリア・チェコスロヴァキア/95分/DCP
■監督・脚本 アラン・ロブ=グリエ
■撮影 イゴール・ルター
■編集 ボブ・ウェイド
■音楽 ミシェル・ファノ
■出演 ジャン=ルイ・トランティニャン/イヴァン・ミストリーク/ズザナ・コクリコヴァー/シルヴィエ・トゥルボヴァー/シルヴィエ・ブレール
■第18回ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞
■公式サイトhttp://www.zaziefilms.com/arg2018/
■物販情報
・アラン・ロブ=グリエ レトロスペクティブ公式パンフレット(1000円)
©1968 IMEC
「物語」の地平のかなたへ観るもの全てを誘う―—ベルリン映画祭銀熊賞受賞作
舞台は、第二次大戦末期のスロバキア共和国。小さな村に、突如現れた異邦人。レジスタンスの英雄ジャンの同志だと名乗る男は、彼の妻や妹を誘惑し始める…。ボルヘスの短編「裏切り者と英雄のテーマ」(『伝奇集』)を下敷きに、ロブ=グリエが敬愛するルイジ・ピランデッロへのオマージュも込めつつ、現実と虚構のデッドゾーンへと観るものすべてを誘う。
囚われの美女 La belle captive
アラン・ロブ=グリエ監督作品/1983年/フランス/85分/DCP
■監督・脚本 アラン・ロブ=グリエ
■脚本 フランク・ヴェルビラ
■撮影 アンリ・アルカン
■編集 ボブ・ウェイド
■音楽 ジェラール・バラ
■出演 ダニエル・メスギシュ/シリエル・クレール/ダニエル・エミルフォーク/フランソワ・ショーメット/ガブリエル・ラズュール
■公式サイトhttp://www.zaziefilms.com/arg2018/
■物販情報
・アラン・ロブ=グリエ レトロスペクティブ公式パンフレット(1000円)
©1983 ARGOS FILMS
幻想と官能が交錯する不条理サスペンス
デューク・エリントンのジャズ・ナンバーが流れるナイト・クラブ。なまめかしく踊るブロンドの美女を、黒いス―ツを身にまとった男が見つめている。男の名は、ヴァルテル。謎の地下組織で情報の運び屋をしている…。シュルレアリスム画家ルネ・マグリットの同名作品を含む多数の絵画をモチーフに、幻想とめくるめく官能が交錯するロブ=グリエ日本で唯一の劇場公開作。