【早稲田松竹】6/8(土)~6/14(金) 上映『エル・スール』『ミツバチのささやき』『ROMA/ローマ』
早稲田松竹クラシックスvol.149/ビクトル・エリセ監督特集 + 特別レイトショー『ROMA/ローマ』
エル・スール デジタルリマスター版 EL SUR
■原作 アデライダ・ガルシア=モラレス
■製作 エリアス・ケレヘタ
■撮影 ホセ=ルイス・アルカイネ■出演 オメロ・アントヌッティ/ソンソレス・アラングーレン/イシアル・ボリャン/ロラ・カルドナ/ラファエラ・アパリシオ/オーロール・クレマン/マリア・カロ/フランシスコ・メリノ
■1983年シカゴ国際映画祭ゴールド・ヒューゴー賞(グランプリ)受賞/スペイン映画作家協会賞最優秀監督賞受賞
■物販情報
・『エル・スール』ブルーレイ(税込5,184円)
・『エル・スール』DVD(税込4,104円)
■オフィシャルサイト http://the-art-theater.com/
© 2005 Video Mercury Films S.A.
北の かもめの家で 父の背中に ふと嗅ぐ 南への 秘められた愛の香り
エストレリャが父アグスティンはもう帰ってこないと予感したのは15歳の時、1957年の秋の朝。枕の下に小さな丸い黒い箱、そのなかには父が愛用していた霊力で動くふりこがのこされていた。
旅に旅をかさねて、父が、北の川沿いの町で県立病院の医師として身をおちつけ、一家が郊外の一軒家に住むことになったのはエストレリャが7歳か8歳の頃。一軒家は<かもめの家>と呼ばれ、屋根の風見のかもめはいつも、南、エル・スールをさしていた。
冬の雪の日。南では雪は降らないのよと教えてくれた母の一言から、父と南の謎が幼いエストレリャの心にめばえる。祖父と大喧嘩して二度と戻らぬ決心で南を出たという父の話を母から聞かされ、エストレリャの、想像のエル・スールへの旅がはじまる――。
エル・スール――南への思いがこめられた 深く、美しい心の一作
『ミツバチのささやき』から10年を経て、1983年に発表された長編第2作『エル・スール』。文字通り「南」を意味する題名には、切実な重さがこめられている。若い頃故郷を捨てた父の、断ち切れぬ南への思い。星と名付けられ生まれた少女が、8歳から15歳に成長し、父がなぜ南を出たか知るにつれ、次第に色濃く浮かび上がるスペイン内戦の過去。エリセは前作同様、説明的な描写はつつしみ、すべてを映像と音で詩のように描いた。
原作は、エリセ夫人のアデライダ・ガルシア=モラリスが書いた短編小説。父アグスティンを演じるのは、タヴィアーニ兄弟やアンゲロプロス監督作品でおなじみのイタリアの名優オメロ・アントヌッティ。エリセ自身が選曲した音楽も忘れ難い。テーマ曲であるパソ・ドブレ<エン・エル・ムンド>のほか、グラナドスの<スペイン舞曲集>やラヴェルやシューベルトの弦楽組曲が印象的に使われている。
※監督自身の監修によるリマスター版での上映。
ミツバチのささやき デジタルリマスター版 EL ESPIRITU DE LA COLMENA
■脚本 アンヘル・フェルナンデス=サントス/ビクトル・エリセ
■撮影 ルイス・クアドラド
■音楽 ルイス・デ・パブロ■出演 アナ・トレント/イサベル・テリェリア/フェルナンド・フェルナン=ゴメス
■1973年サン・セバスチャン国際映画祭金の貝殻賞(グランプリ)受賞/1973年シカゴ国際映画祭シルヴァー・ヒューゴー特別賞受賞/1974年スペイン映画作家協会賞最優秀作品賞・監督賞ほか3部門受賞/1974年鳥の映画祭最優秀作品賞受賞
■物販情報
・『ミツバチのささやき』ブルーレイ(税込5,184円)
・『ミツバチのささやき』DVD(税込4,104円)
■オフィシャルサイト http://the-art-theater.com/
© 2005 Video Mercury Films S.A.
ミツバチのささやきにつつまれて フランケンシュタインを呼ぶ少女アナ
むかしむかしの1940年頃。スペイン中部のカスティーリャ高原の小さな村。アナとイサベルの幼い姉妹は公民館のスクリーンで怪物映画『フランケンシュタイン』を観ている。スクリーンのなかの少女が殺されて、フランケンシュタインも殺されて、アナは姉に聞く。なぜ殺したの? なぜ殺されたの? 姉は後で教えるといって答えない。
夜、イサベルはアナに、フランケンシュタインは怪物ではなく精霊で、死んだのではなく、村のはずれの井戸にある一軒家に生きていて“ソイ・アナ(私はアナよ)”と名乗り出れば、友達になってくれると教える。アナその話を信じた――。
無垢な瞳が照射する 内戦スペインの心 巨匠エリセの詩情あふれる傑作
スペイン内戦がフランコの勝利に集結した翌年の1940年を舞台にした、ビクトル・エリセ監督第1作『ミツバチのささやき』。撮影されたのは、フランコによる独裁政治が終了する前の1973年。スペインの作家にとって最も困難といわれたスペイン内戦の問題を深く視座に据え、繊細で詩情豊かな、単純さと美しさの極みの映画表現でやさしく語りかける。
重厚な主題を少女に託して描くのはエリセの特徴であるが、とくに本作の当時6歳の天才少女アナ・トレントの存在感は圧倒的だ。すべてを鏡のように容認するつぶらな瞳で、作品に永遠の輝きを与えている。エリセの才能とアナの魅力で『ミツバチのささやき』は世界中で絶賛された。
※監督自身の監修によるリマスター版での上映。
【特別レイトショー】ROMA/ローマ 【Late Show】Roma
開映時間 開場20:20/ 開映20:30 (~終映22:45)
■監督 アルフォンソ・キュアロン
■製作 ガブリエラ・ロドリゲス/アルフォンソ・キュアロン/ニコラス・セリス
■脚本 アルフォンソ・キュアロン
■撮影 アルフォンソ・キュアロン
■編集 アルフォンソ・キュアロン/アダム・ガフ■出演 ヤリッツァ・アパリシオ/マリーナ・デ・タビラ■2018年アカデミー賞監督賞・撮影賞・外国語映画賞受賞、作品賞ほか10部門ノミネート/ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞/ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞・監督賞受賞、脚本賞ノミネート ほか多数受賞・ノミネート
■オフィシャルサイト
https://www.netflix.com/jp/title/80240715
★レイトショー上映はどなた様も一律1300円でご鑑賞いただけます。
★6/1(土)は映画サービスデーのため一律1000円となります。
★ご入場は、チケットに記載された整理番号順となります。
2018年アカデミー賞3部門受賞! アルフォンソ・キュアロン監督最新作
『ROMA/ローマ』はアカデミー賞受賞監督兼脚本家のアルフォンソ・キュアロンがこれまでに手がけた中で、最も自伝的要素が色濃い作品。2013年の代表作『ゼロ・グラビティ』以来の作品となる。
物語はメキシコシティのローマという地区で中流階級の家庭に奉公する若い家政婦クレオを中心に展開する。自分を育ててくれた女性たちへの想いをこめたキュアロン監督のラブレターともいうべき本作。少年時代の記憶をもとに、政治的混乱に揺れる1970年代の家庭内の衝突と社会的階級を鮮明に、そして感情豊かに描き上げる。
(2018年東京国際映画祭公式ページより抜粋)
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